MVNO第一人者の日本通信(9424)。
今後の株価はどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートを確認してみました。FPoSの注目から株価が急上昇・急落する不安定な動きをしています。
- 指標はかなり割高、連続赤字から連続黒字に
- 株価は急上昇・急落するタイミングあり
- 業績が大きく伸びる可能性もあるが、当然リスク要因もある
日本通信の株価情報と業績推移
日本通信の株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:296円
予想PER:—
PBR:34.82倍
予想EPS:—
時価総額:488億円
2023年5月17日終値時点のデータ
最新の株価参考:日本通信(株)【9424】:Yahoo!ファイナンス
PBRは割高感が強いです。
業績の推移
下記は日本通信の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

連続赤字で推移していましたが、2022年3月期は黒字に。2023年3月期は更に増益となっています。
また、配当金はこれまで一度も出していません。赤字だからというわけではなく、事業投資に回すため、しばらく無配当の可能性が高いと考えられます。
株価のチャート
下記は日本通信の5年分の週足株価チャートです。

株価は急上昇した後に急落するタイミングがいくつかあります。
株価が大きく動く時は「将来への期待」や「アナリストが推奨銘柄に上げたことによる」ものが多いです。
日本通信の事業内容と財務情報について
日本通信の事業内容と財務情報を見ていきます。
日本通信(9424)の概要
日本通信株式会社(にほんつうしん、英語: Japan Communications Inc.)は、ワイヤレスデータ通信を行う仮想移動体通信事業者(MVNO)。主にb-mobileブランドと日本通信SIMブランドでサービスを展開している。
日本通信はウィルコムからPHS回線のリセール(回線領域買い取り)で事業を始め、MVNOとして日本では第一号の会社となった。MVNOの黎明期には一定のシェアがあったものの、競争の激化からシェアを減らし続け、2016年3月期には19億の赤字を計上。
日本通信 – Wikipediaより抜粋
MVNOサービスの先駆者で格安SIMの販売を行っています。
近年はスマートフォンで安全取引を実現するプラットフォームとして「FPoS」(FinTech Platform over SIM)を開発し投資を行っています。
3カ月決算の実績
下記は日本通信の連結経常利益の推移と前期との比較です。

2024年3月期の連結経常利益は非開示としています。
キャッシュフロー
下記は日本通信のキャッシュ・フロー推移です。

営業CFがマイナスの時もあります。
日本通信の今後について
日本通信の今後の株価上昇ポイント、株価下落ポイントを考えてみます。
日本通信の株価上昇ポイント
赤字が続いていましたが、2022年3月期はMVMO事業モデルが整い、7期ぶりの通期黒字化。
また、楽天モバイルの0円プラン廃止の影響もあり、新規申し込みが急増、2023年3月期も黒字となりました。
期待値の高い技術
日本通信はFPoSに力を入れており「電子署名法の認定を受けて株価が上昇」した事から、期待値が高く、大きな需要が見込める技術と考えることが出来ます。
FPoS商用化開始から3~5年で時価総額5,000億円の事業規模に成長させることを目指すとしており、かなり力を入れているのがうかがえます。
FPosとは
FPoSとは「FinTech Platform over SIM」の略称で、簡単に言うとオンラインバンキングのセキュリティ方法の一つです。
オンラインバンキングは普及と共に不正アクセスなどの犯罪が多発し、セキュリティ強化を進めています。その結果、利便性が悪くなってきているというのも事実です。この問題点を解決した、「強いセキュリティかつ利便性が良い」というのがFPoSです。
日本通信の株価下落ポイント
新しい技術のFPoSですが、需要が見込めるかもしれませんが大手が参入、または別の手段で画期的なものができる可能性もあります。
警戒ポイント
MVNOの先駆者で大きく利益を伸ばし、過去には株価が10倍以上に急上昇しました。しかし、その後は多くの企業が参入し競争激化、業績悪化で株価も下落しました。
今後も携帯電話関係は政府の指導や他社動向により大きく変化する可能性があります。
大きく株価が上昇・下落
2018年中旬以降に出来高が急激に増えるタイミングがいくつかあります。
このような銘柄の多くは株価が上昇した後に大きく下落することも多く、タイミングを見極めるのは難しいです。