石油精製元売り大手の出光興産(5019)。今後の株価と配当はどうなるか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価は緩やかに下落推移
- 高配当利回りだが見えにくさもある
- 業績は良くも悪くも不透明材料がある
出光興産の株価情報と業績推移
出光興産の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:2,826円
予想PER:3.82倍
PBR:0.51倍
予想EPS:739.92円
時価総額:8,418億円
2023年3月17日終値時点のデータ。
最新の株価参考:出光興産(株)【5019】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともに割安ですが、石油系銘柄は全般的に割安水準です。
業績の推移
下記は出光興産の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期は赤字で着地。経済冷え込みと原油価格下落の影響で厳しくなりました。2021年3月期は黒字復活し、2022年3月期は在庫影響・タイムラグもあり大きく増収・増益で過去最高を更新。
2023年3月期は増収・減益見通しとしています。
参考:業績ハイライト|出光興産
株価の推移
下記は出光興産5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年10月から原油の先物価格が下落した影響で下落推移。2021年からは原油価格上昇の影響もあり持ち直していましたが、2022年6月以降で見ると緩やかな下落と見ることもできます。
出光興産の配当情報と株主優待
出光興産の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:120円
予想年間配当利回り:4.25%
配当利回りは高めですが、同業他社も高めの水準です。
配当金の推移
下記は出光興産の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:80円
2019年3月期:100円
2020年3月期:160円
2021年3月期:120円
2022年3月期:170円
2023年3月期:120円(予)
2022年3月期は普通配当120円、創業110周年の特別配当50円です。
配当性向は2022年3月期が18.1%、2023年3月期の予想が約16%です。
配当方針の確認
中期経営計画(2020年3月期~2022年3月度)にて「株主還元を在庫影響を除いた総還元性向50%以上、1株当たり配当金160円を下限」とし、2020年3月期は年間160円に大きく増配。
しかし、2021年3月期は業績悪化で減配。中期経営計画を見直し年間配当金の下限を120円に変更しています。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
出光興産の事業・決算内容と今後について
出光興産の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
出光興産(5019)とは
出光興産株式会社(いでみつこうさん、英称:Idemitsu Kosan Co.,Ltd.)は、石油精製、石油化学、電子材料の製造と販売などを行う日本の企業である。
EV用次世代電池の全固体電池の主要材料となる固体電解質の研究開発にも力を入れ数多くの特許を保有している。2019年4月1日、経営統合により昭和シェル石油を完全子会社化。
出光興産 – Wikipediaより抜粋
主要事業セグメントは「燃料油」です。原油・石油製品の輸入、精製、輸送、貯蔵・販売を行っています。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結経常利益は4,592億円と発表。2023年3月期の同利益は2,100億円見通し、年間配当は120円予定としています。(2022年5月10日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は2,449億円と発表。また、通期の同利益を2,100億円予想から4,000億円予想に上方修正しています。(2022年8月9日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は3,812億円と発表。また、通期の同利益を4,000億円予想から4,500億円予想に上方修正しています。(2022年11月8日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は3,368億円と発表。また、通期の同利益を4,500億円予想から2,850億円予想に下方修正しています。(2023年2月14日の決算発表にて)
今後について
原油価格の動きが業績・株価に与える影響が大きく、原油輸入先が基本的に政治情勢に不安を抱えている点は大きなリスクです。また、今後は競合他社よりも効率的な事業運営が求められます。
期待感・不安材料
2022年3月期は大きく業績が伸びましたが、在庫影響やタイムラグが大きいです。2023年3月期は業績見通しを上方修正したあとに下方修正しており、不透明感もあります。