石油精製元売り大手の出光興産(5019)。今後の株価と配当はどうなるか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 下限配当修正でやや見えにくさあり
- 株価・業績は原油価格の影響で大きく上下
- 中長期戦略の再構築を進めるが不透明感もある
出光興産の株価情報と事業内容について
出光興産の株価情報と事業内容を見ていきます。
株価指標
株価:3,055円
予想PER:4.13倍
PBR:0.69倍
時価総額:9,100億円
2022年2月25日終値時点のデータです。
最新の株価参考サイト:出光興産(株)【5019】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともにかなり割安ですが、石油系銘柄は全般的に割安水準です。
出光興産(5019)とは
出光興産株式会社(いでみつこうさん、英称:Idemitsu Kosan Co.,Ltd.)は、石油精製、石油化学、電子材料の製造と販売、またEV用次世代電池の全固体電池の主要材料となる固体電解質の研究開発にも力を入れ数多くの特許を保有している日本の企業である。
2019年4月1日、経営統合により昭和シェル石油を完全子会社化。
全国のサービスステーション(給油所)のブランド名を2023年までに、「apollostation」(アポロステーション)へ統一する予定である
出光興産 – Wikipediaより抜粋
主要事業セグメントは「燃料油」です。
原油・石油製品の輸入、精製、輸送、貯蔵・販売を行っています。
出光興産の業績推移と株価推移について
出光興産の業績推移と株価推移を見ていきます。
売上高と経常利益の推移

2020年3月期は増益見通しでしたが、下方修正を行い赤字で着地。経済冷え込みと原油価格下落の影響で厳しくなりました。
2021年3月期は黒字復活、2022年3月期は大きく増収・増益見通しで過去最高更新見通しとしています。
参考:業績ハイライト|出光興産
株価の推移
下記は出光興産5年分の週足株価チャートです。

2018年10月に原油の先物価格が下落し株価も大きく下落、その後も下落推移です。
2021年からは原油価格上昇の影響もあり、弱めですがやや持ち直す動きも見られます。
出光興産の配当情報と決算内容について
出光興産の配当情報と決算内容を見ていきます。
配当情報
2022年3月期の予定年間配当:120円
予想年間配当利回り:3.93%
配当利回りは高いですが、同業他社も同水準です。
配当金の推移
下記は出光興産の配当金推移です。
配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2017年3月期:50円
2018年3月期:80円
2019年3月期:100円
2020年3月期:160円
2021年3月期:120円
2022年3月期:120円(予)
2022年3月期は据え置き予定です。
配当性向は2021年3月期が102.1%、2022年3月期の予想が約16%です。
配当方針の確認
中期経営計画(2020年3月期~2022年3月度)にて「株主還元を在庫影響を除いた総還元性向50%以上、1株当たり配当金160円を下限」とし、2020年3月期は年間160円に大きく増配。
しかし、2021年3月期の配当は減配、中期経営計画を見直し下限を120円に変更しています。
決算内容について
2022年2月8日に決算発表。
2022年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は3,029億円と発表。
通期計画の3,300億円に対する進捗率は91.8%となりました。
出光興産の今後について
出光興産の今後について考えてみます。
今後について
原油価格の動きが業績・株価に与える影響が大きく、原油輸入先が基本的に政治情勢に不安を抱えている点は大きなリスクです。
また、今後は競合他社よりも効率的な事業運営が求められます。
期待感・不安材料
2021年3月期は業績回復、2022年3月期は更に大きく回復する可能性が高いです。
しかし、中期経営計画を見直して目標を下方修正、配当下限も160円から120円へ変更するなど今後の不透明感もあります。