マンション開発・建築を行う長谷工コーポレーション(1808)。今後の株価と配当がどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標に割高感はなく、年間の配当利回りは高い
- 新中期経営計画にて株主還元を拡充し安定配当に期待
- 業績は連続減益見通しでやや厳しい
長谷工コーポレーションの事業内容と株価指標
はじめに長谷工コーポレーションの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:1,174円
予定年間配当:70円
年間配当利回り:5.96%
予想PER:6.9倍
PBR:0.87倍
2020年11月27日終値時点のデータ
株価指標は割安ですが、建設関係はPER10倍以下PBR1倍以下の銘柄が多いです。年間の配当利回りはかなり高いです。
長谷工コーポレーション(1808)とは
株式会社長谷工コーポレーション(はせこうコーポレーション)は、大手ゼネコン。関東地方でのマンション開発を中心とした建設会社・デベロッパーでマンション建築では業界トップ。
長谷工コーポレーション – Wikipediaより抜粋
マンション建築最大手で計画から施工まで一貫して行っており、独自のノウハウを持っています。マンション分譲の他、ホテルやオフィスビルなどの一般工事や土木工事なども行っています。
長谷工コーポレーションの業績推移と株価チャート
次に長谷工コーポレーションの業績推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上・利益ともに順調に右肩上がりに推移していましたが、2020年3月期は減収・減益。2021年3月期も減益予想と厳しいです。
株価チャートの推移
下記は長谷工コーポレーション5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は下落推移しています。長期的に見ても比較的安めの株価水準ですが最安値圏ではないです。株価の動きをみると1,000円以下は買い時で1,500円近くは買いにくい動きです。
長谷工コーポレーションの配当推移と株主優待
次に長谷工コーポレーションの配当推移と株主優待を確認していきます。
配当金の推移
下記は長谷工コーポレーションの配当推移です。現在の配当は中間配当(9月末)と期末配当(3月末)の年2回実施しています。

2016年3月期:15円
2017年3月期:30円
2018年3月期:50円
2019年3月期:80円
2020年3月期:70円
2021年3月期:70円(予)
長谷工の配当金ですが若干特殊な形です。
2019年3月期は普通配当が20円、特別配当が60円。2020年3月期は普通配当20円、特別配当が50円です。これは2018年3月期~2020年3月期の中期経営計画にて株主還元を「1株当たり20円の株主配当金を安定的な配当として、連結配当性向20%を目指す」としていたためです。
2021年3月期~2025年3月期の新中期経営計画では「1株当たりの年間配当金70円を下限、総還元性向40%程度」に株主還元を拡大しています。2021年3月期の予想配当性向は約41%です。
株主優待制度について
長谷工コーポレーションの株主優待は「お米の割引券」と「自社サービス利用割引券」です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 <9月末> | コシヒカリ 20%割引 (長谷工あんしんデリ栽培) |
100株以上 <3月末> | リフォーム代金 3%割引 不動産仲介手数料 5%割引 等 |
株主優待狙いで保有する人は少なそうな内容です。
長谷工コーポレーションの決算内容と今後の株価について
最後に長谷工コーポレーションの決算内容の確認と今後の株価について考えていきます。
決算内容を確認
2020年11月12日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は300億円と発表、前年同期比30.9%減、通期計画の700億円に対する進捗率は42.9%となりました。
今後について
長谷工コーポレーションは建設業の細田工務店(1906)をTOBにて完全子会社化するなど必要とする事業分野への事業・資本提携やM&Aを進めています。
現在の業績は分譲マンション関連事業の割合が高いですが、今後は戸建て・賃貸・高齢者住宅をはじめ海外へも展開して将来の収益源となるものを模索しています。もちろん、投資に伴うリスクもありますが、しっかりと先の事を考えているという印象も受けます。
また、株主還元を拡大する中期経営計画を発表しています。3,4年前と同水準の利益となれば年間配当100円以上も期待できます。もちろん、あくまでも計画で理論値です。多くの企業が計画を見直さざるを得ない事態になっているのも現実です。まずは2022年3月期にどこまで回復するかを見極める必要があります。