電線、光ファイバーで世界有数企業の古河電気工業(5801)。業績悪化により減配予定、長期の株価は下落しています。果たして今後の古河電気工業の株価と配当はどうなるのか。株価指標・業績推移・株価チャートを分析してみました。
- 業績は厳しい推移も株価は底値から抜け出し
- 業績悪化により減配当予定
- 長期株価は下落も期待値から短期でやや上昇
古河電気工業の事業内容と株価指標
はじめに古河電気工業の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,963円
予定年間配当:55円
年間配当利回り:1.86%
予想PER:69.6倍
PBR:0.88倍
2020年12月4日終値時点のデータ
PERは割高、PBRは割安です。減配当により配当利回りは平均水準まで下落しています。
古河電気工業(5801)とは
古河電気工業株式会社(ふるかわでんきこうぎょう、英文社名 Furukawa Electric Co., Ltd.)は、古河グループの光ファイバー・電線・ワイヤーハーネス等の製造を行なう非鉄金属メーカーである。
電線御三家(古河電工・住友電工・フジクラ)の一角。古河機械金属(旧・古河鉱業)、富士電機、富士通とともに古河グループの中核企業である。
古河電気工業 – Wikipediaより抜粋
主な事業として自動車部品・ワイヤハーネス・銅線などの「電装エレクトロニクス」、光ファイバ・電力事業などの「インフラ」などです。海外売上比率はアジアを中心に約46%あります。

古河電気工業の業績推移と株価チャート
次に古河電気工業の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と営業利益の推移

連続で減収・減益推移です。2020年3月期は大きく業績悪化、2021年3月期も厳しい見通しです。
株価チャートの推移
下記は古河電気工業5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は2017年末までは業績が好調な事もあり上昇していましたが、その後は業績悪化により大きく下落。現在の株価は底値圏から抜けてやや上昇していますが、3,000-3,600円には壁があり、そこを抜けることが出来るかという状況です。
古河電気工業の配当推移と決算内容
次に古河電気工業の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記は古河電気工業の配当金の推移です。期末(3月)の一括配当を実施しています。株式併合後の株数に換算してあります。

2016年3月期:40円
2017年3月期:55円
2018年3月期:80円
2019年3月期:85円
2020年3月期:85円
2021年3月期:55円(予)
2021年3月期は減配予定です。
配当性向は2019年3月期が20.6%、2020年3月期が34%、2021年3月期の予想は約130%です。今後、業績が回復しないとさらに減配する可能性も想定されます。
決算内容について
2020年11月5日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結営業損益は33.3億円の赤字と発表、年間配当は55円に減配予定としています。
古河電気工業の今後の株価について
最後に古河電気工業の今後の株価上昇ポイントと下落ポイントを考えてみます。
今後の株価について
自動車部品のワイヤハーネスなどの電装品、情報通信向けの光ファイバーなど多くの製品で世界的なシェアがあります。そのため、自動車産業全体の売上や通信会社の設備投資が大きく業績に影響します。また、海外売上比率も高く(約46%)為替の影響も受けます。
短期的には厳しいですが、古河電池と共同で次世代2次電池である「バイポーラ型蓄電池」を開発するなど技術力はあり、構造改革も進みつつあります。
2020年11月以降、これら新技術や構造改革の期待値から国内証券会社の投資判断格上げもあり、株価が上昇しています。しかし、あくまでも期待値です。業績は連続で減収・減益で推移しています。