プロ野球チーム「東京ヤクルトスワローズ」の親会社であるヤクルト本社(2267)。株価は長期で見ても短期で見ても下落しています。果たして今後の株価と配当金はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、ヤクルトは株主優待制度を実施しているので内容と利回りを確認していきます。
- 株価指標に割安感はなく配当・優待利回りも低め
- 配当性向は低く、配当推移から今後も増配する可能性は高い
- 業績は比較的好調に推移しているが今後は主に中国をはじめ海外次第
ヤクルトの事業内容と株価指標
まずはヤクルトの事業内容と現在の株価指標・配当利回りを確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:5,080円
予定年間配当:52円
年間配当利回り:1.02%
予想PER:20.4倍
PBR:2.14倍
2020年11月20日終値時点のデータ
PER、PBRともに割安感はないです。配当利回りは平均より低いです。
ヤクルト本社(2267)とは
株式会社ヤクルト本社(ヤクルトほんしゃ)は、日本の飲料・食品・化粧品・医薬品メーカーである。
乳酸菌飲料メーカーとしては国内最大手。国外売上比率は4割。海外では39カ国・地域に進出している(2019年8月時点)。プロ野球チーム「東京ヤクルトスワローズ」(株式会社ヤクルト球団)の親会社である。
販売ルートは、ヤクルトレディによる訪問販売と、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの量販店・食料品店の店頭、自動販売機がある。
ヤクルト本社 – Wikipediaより抜粋
ヤクルトは独特のヤクルトレディという販売形式をとっており、賛否両論あります。
宣伝・営業の観点から非常に有効な手法と考えられ、実際にその手法で大きく成長してきました。しかし「訪問販売」、「ヤクルトレディと販売店の契約形態が雇用契約関係ではない」点など、やや時代と合わないとも言えます。また、現在の利益は海外比率が高くなっています。
ヤクルトの配当推移と株主優待
次にヤクルトの配当金推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記はヤクルト本社の配当推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:50円
2017年3月期:32円
2018年3月期:34円
2019年3月期:44円
2020年3月期:46円
2021年3月期:52円(予)
2016年3月期の配当は普通配当が30円、特別配当が20円です。そこを考慮すると配当は毎年増配しています。
配当方針は「配当金額のベースを年額30円として業績を考慮して決定」としています。ここ数年は配当性向が約20%で推移しているので減配する可能性は低く、今後も増配する可能性はあります。
参考:配当金推移|ヤクルト本社
株主優待制度について
ヤクルト本社の株主優待は「自社製品の詰め合わせ」、プロ野球公式戦「株主優待証(外野自由席)」です。
保有株式数 | 優待品内容 |
---|---|
100株以上 1,000株未満 | 自社製品詰め合わせ(3月末) 外野自由席引き換え2ポイント(9月末) |
1,000株以上 | 自社製品詰め合わせ(3月末) 外野自由席引き換え12ポイント(9月末) |

3年以上継続保有している場合は追加で基礎化粧品もいただくことができます。100株保有時の自社製品を700円相当、観戦ポイントを1ポイント2,000円相当と仮定すると年間4,700円分なので優待利回りは約0.9%です。
※利回りは独自算出です、また2020年9月の優待は特別にオリジナルマスクでした。
参考:株主優待|ヤクルト本社
ヤクルトの業績推移と株価チャート
次にヤクルトの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

利益推移はやや勢いが弱まっていますが右肩上がりです。2021年3月期も増益予定で4期連続最高益を更新する見通しです。
株価チャートの推移
下記はヤクルト本社5年分の週足株価チャートの推移です。

過去、1万円近くまで上昇したことや好調な業績を考えると買い時にも見えますが、株価指標に割安感はなく判断は難しいです。2020年4月には乳酸菌飲料に注目が集まった事で一時大きく上昇しましたが、その後は下落しています。
ヤクルトの決算内容と今後について
最後にヤクルトの決算内容確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2020年11月13日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は334億円と発表、あわせて通期の同利益を590億円から585億円に下方修正。年間配当を従来計画の48円から52円に増額修正しています。
今後について
業績は好調に推移していますが、株価指標に割安感はなく、株価は下落推移しています。
この先、国内で大きく伸ばすのは難しく、実際に海外利益比率が増えています。世界各国で事業を展開するのは、為替変動や各国の政治的・経済的な動きに業績が左右されます。また、原材料や原油価格なども業績へ影響を与えます。
日本国内だけでなく、諸外国でも健康意識の高まりがあるので需要は確実にあり、販売が伸びる可能性は高いです。しかし、日本では知名度・ブランド力が強いですが、外国でライバル企業が出てこないとは言い切れません。