国内トップの製薬会社の武田薬品工業(4502)。今後の株価と配当がどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 巨額買収により業績は大きく上昇
- 株価は安値から緩やかに上昇推移
- 配当金は据え置き推移、高利回り
武田薬品の株価情報と業績推移
武田薬品工業の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:4,263円
予想PER:21.54倍
PBR:1.07倍
予想EPS:197.94円
時価総額:6兆7,453億円
2023年3月24日終値時点のデータ。
最新の株価参考:武田薬品工業(株)【4502】:Yahoo!ファイナンス
目立った割安感・割高感は無いです。
業績の推移
下記は武田薬品工業の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2018年3月末にアイルランドの製薬大手「シャイアー社」のM&Aを検討、2019年1月に約6兆8,000億円でシャイアーの買収が完了。その影響で2020年3月期以降の売上が大きく伸びています。
2023年3月期は増収・増益見通しとしています。
株価の推移
下記は武田薬品工業5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年に大きく下落。業績下方修正・シャイヤー社買収の巨額費用などの影響が下落要因と考えられます。
弱めで推移していた株価ですが、2022年以降で見ると緩やかに上昇しています。
武田薬品の配当情報と株主優待
武田薬品工業の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:180円
予想年間配当利回り:4.22%
年間配当利回りは高いです。
配当金の推移
下記は武田薬品工業の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:180円
2019年3月期:180円
2020年3月期:180円
2021年3月期:180円
2022年3月期:180円
2023年3月期:180円(予)
武田薬品工業は30年間減配を行っていません。年間配当金は10年ほど180円で据え置き推移です。
配当性向は2022年3月期が122.3%、2023年3月期の予想が約91%です。
今後の配当について
配当方針では、CoreEPSという考えを重視しています。方針上は大きく減配する可能性は低いものの、配当性向はここ数年100%を超えることも多く、減配しないと言い切れないです。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
武田薬品の事業・決算内容と今後について
武田薬品工業の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
武田薬品工業(4502)とは
武田薬品工業株式会社(たけだやくひんこうぎょう、英文:Takeda Pharmaceutical Company Limited)は、日本の製薬会社である。タケダ、Takeda、武田薬品とも略称される。
日本の医薬品企業での売上高は1位であり、世界の医薬品企業の売上高順位(2019年)では9位である。連結売上高の約9割を医療用医薬品売上が占め、消化性潰瘍治療薬、制癌剤などを主力製品とする。
武田薬品工業 – Wikipediaより抜粋
武田薬品工業は国内トップの製薬メーカーです。シャイアー社を買収し、世界10位以内に入り巨大製薬企業の仲間入りをしています。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結税引前利益は3,025億円と発表。2023年3月期の同利益は4,110億円見通し、年間配当は180円予定としています。(2022年5月11日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結税引前利益は1,554億円と発表、前年同期比30.3%減となりました。(2022年7月28日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結税引前利益は2,200億円と発表。また、通期の同利益を4,110億円予想から4,260億円予想に上方修正しています。(2022年10月27日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結税引前利益は3,271億円と発表、前年同期比8.3%減となりました。(2023年2月2日の決算発表にて)
今後について
国内最大手の製薬会社から、シャイアー買収により世界でも売上上位に入りました。この先さらに注目される大企業です。2021年3月期は武田コンシューマーヘルスケア株式会社(アリナミン製薬)を売却した影響もあり大きく黒字。その後も比較的好調な業績です。
不透明感からやや厳しい株価の動き
シャイアー買収の費用が巨額なため、見合った利益となるか不透明感・警戒感もあり株価の動きが弱めに推移しているとも言えます。「どこまでプラスに働くか」見えない部分があります。
リスク要因について
医療・製薬関係全ての会社に当てはまりますが、開発力が大きく業績に影響します。開発の停滞や中止となった場合、将来の収益に大きな悪影響を与えます。競合他社に特許を獲得され、開発競争に遅れをとることもリスクとなる場合もあります。
また、2015年3月期に大きく赤字となった主な要因は訴訟に対する和解金などです。これは積極的に海外展開する企業にとって、いつ発生するか分からないリスクの一つです。