塩化ビニルや半導体シリコン事業を行う信越化学工業(4063)。
今後の株価と配当がどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートと配当推移を確認してみました。2023年3月31日を基準日として1株を5株に株式分割しています。
- 株価は下落から上昇推移に
- 業績は好調推移も厳しめの見通し
- 財務健全性の高い安定企業
信越化学の株価情報と業績推移
信越化学工業の株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:4,679円
予想PER:18.16倍
PBR:2.4倍
予想EPS:257.67円
時価総額:9兆4,709億円
2023年7月31日終値時点のデータ
最新の株価参考:信越化学工業(株)【4063】:Yahoo!ファイナンス
PBRにやや割高感があります。
業績の推移
下記は信越化学工業の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2022年3月期は大きく増収・増益、2023年3月期も大きく増収・増益となり過去最高益を更新。
2024年3月期は減収・減益見通しとしています。
株価のチャート
下記は信越化学工業5年分の週足株価チャートです。

株価は業績好調もあり、2020年後半から上昇していましたが2022年は下落気味に推移。
2023年に入ると再度上昇しています。
また、2023年3月31日を基準日として1株を5株に株式分割しています。
信越化学の配当情報と株主優待
信越化学工業の配当情報と株主優待制度を確認していきます。
配当金の情報
2024年3月期の予定年間配当:100円
予想年間配当利回り:2.14%
配当金の推移について
下記は信越化学工業の配当金推移です、配当権利日は9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2019年3月期:40円
2020年3月期:44円
2021年3月期:50円
2022年3月期:80円
2023年3月期:100円
2024年3月期:100円(予)
配当は毎年増配、2024年3月期は据え置き予定としています。
配当性向は2023年3月期が28.7%、2024年3月期の予想が約39%です。
利益配分の方針を確認
株主還元方針は「配当性向35%前後を中長期的な目安に安定的な配当に努める」としています。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
信越化学工業の事業内容と今後について
信越化学工業の事業内容と財務情報の確認と今後について考えてみます。
信越化学工業(4063)の概要
信越化学工業株式会社(しんえつかがくこうぎょう、英: Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.)は、日本の大手化学メーカー。
東証プライムの化学セクタに上場する企業において唯一Core30に組込まれている。塩化ビニル樹脂やシリコンウェハーなど、多くの世界トップシェア製品を有する。
信越化学工業 – Wikipediaより抜粋
事業セグメントは、生活環境基盤材料事業(塩化ビニル・苛性ソーダなど)、電子材料事業(半導体シリコンなど)、機能材料事業(シリコーン・セルロースなど)と加工・商事・技術サービスとなっています。
また、信越化学工業は自己資本率が80%を超え、財務健全性をはかる材料の一つであるネットキャッシュは上場企業第2位にランクインしており、安全性の高い企業と言われています。
参考:「金持ち企業ランキングトップ500社」|東洋経済オンライン
3カ月決算の実績
下記は信越化学工業の連結経常利益の推移と前期との比較です。

2024年3月期の連結経常利益は7,600億円見込みとしています。
キャッシュフロー
下記は信越化学工業のキャッシュ・フローの推移です。

好調な営業CFの推移です。
信越化学工業の今後について
財務健全は「不測の事態に備えている」と考えることができ、堅実と見ることができます。
もちろん、お金を持っていることは悪いことではありません。しかし「手元に資金がある=良い」とは単純に言えません。
企業の負債には種類がある
企業の成長には設備投資・企業買収など投資が欠かせません。超低金利の続く日本では、借り入れを多くして成長に充てるのはある意味、理にかなっています。
一言で負債と言っても積極的なものか、消極的なものかで意味は全く異なります。
どのように見るかが重要
手元に資金が多くあるというのは「安心感がある」という見方もできますが、積み上がっている場合は、違う見方をすると投資先を見つけていない、お金をうまく使えていない可能性もあります。
信越化学工業は堅実に事業を行い、日本だけでなく世界的に大きなシェアを持っているのは非常に強みです。投資会社やアナリストが高く評価しているのも良く見ます。