総合リース大手で金融業・プロ野球球団など多くの事業を行うオリックス(8591)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。2024年3月を最後に株主優待を廃止すると発表しています。
- 同業他社と比較すると割安感はない
- 株価は大きく上昇後、緩やかに下落推移
- 配当や優待も重要だが、企業の本質を見ることが重要
ORIXの株価情報と業績推移
オリックスの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:2,167円
予想PER:10.3倍
PBR:0.77倍
予想EPS:210.46円
時価総額:2兆7,267億円
2022年12月2日終値時点のデータ。
最新の株価参考:オリックス(株)【8591】:Yahoo!ファイナンス
同業他社と比較すると平均的です。
売上高と利益の推移
下記はオリックスの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2021年3月期は環境の悪化もあり最終利益は1,923億円とやや厳しめに。
2022年3月期は大きく回復していますが、2023年3月期の最終利益は減益見通しとしています。
株価の推移
下記はオリックス5年分の週足株価チャートです。

株価は2020年3月に大きく下落しましたが、2021年から想定より早い業績回復・日経平均採用観測などの影響から大きく上昇。
2022年からは優待廃止発表や不透明感などから上昇が落ち着き、緩やかに下落する動きをしています。
ORIXの配当情報と株主優待
オリックスの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:85.6円
予想年間配当利回り:3.95%
配当金の推移
下記はオリックスの配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:66円
2019年3月期:76円
2020年3月期:76円
2021年3月期:78円
2022年3月期:85.6円
2023年3月期:85.6円(予)
2023年3月期の配当は据え置き予定としています。
配当性向は2022年3月期が33%、2023年3月期の予想が約40%です。
配当方針の確認
配当方針は「2023年3月期の配当予想については、配当性向33%もしくは1株当たり通期配当金85.60円のいずれか高い方」としています。
株主優待制度について(廃止予定)
オリックスの株主優待は「カタログギフト」、「株主カード」を実施。優待権利月は3月です。
カタログギフトは5,000円相当で、3年以上継続保有している場合は1万円相当です。高めの利回りで人気の優待でしたが、2024年3月を最後に優待廃止としています。
「今後は配当等による利益還元に集約する」としています。
ORIXの事業・決算内容と今後について
オリックスの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
オリックス(8591)とは
オリックス株式会社(英: ORIX Corporation)は、日本の大手総合金融サービス企業である。
祖業であるリースをはじめ、不動産、銀行、クレジット、事業投資、環境エネルギー投資、プロ野球球団(オリックス・バファローズ)など多くの事業を手掛けており、グループを通して多角的金融サービス業を提供している。
オリックス – Wikipediaより抜粋
オリックスは国内だけでなく、アメリカやヨーロッパなど諸外国にも展開しています。法人金融サービス事業・メンテナンスリース事業、不動産事業、事業投資事業・リテール事業、海外事業など多くのセグメントがあります。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結税引前利益は5,048億円と発表。2023年3月期の業績見通しは非開示、年間配当は85.6円予定としています。(2022年5月11日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結税引前利益は850億円と発表、前年同期比15%減となりました。(2022年8月3日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結税引前利益は1,643億円と発表。また、通期の連結最終利益予想を2,500億円見通しとしています。(2022年11月7日の決算発表にて)
今後について
国内アナリストの多くが「安定の成長企業」と評価しています。当然ですが、アナリスト評価・投資格付けは良く変わるため最新の状況を把握する必要があります。
リスクについて
金融事業は信用リスクや市場性リスク、海外事業は地政学上のリスクなどがあります。事業の多角化はリスクの分散になりますが、それらリスクが一度に出現すると大きなダメージとなるケースもあります。
優待や配当は株の一面
今後は株主優待を廃止予定で配当等に利益還元を集約としています。配当・優待は株式投資の魅力の一つです。しかし、時としてそれらが自分の投資判断や株価に対してマイナスに働くケースもあります。
重要なのは成長期待値はどれだけあるのか、事業内容や今後の利益をしっかり分析することです。