総合リース大手で金融業・プロ野球球団など多くの事業を行うオリックス(8591)。
今後の株価と配当はどうなるのか、株価指標と業績推移、株価チャートと配当推移を確認してみました。「2024年3月を最後に株主優待を廃止する」と発表しています。
- 同業他社と比較すると割安感はない
- 株価は大きく上昇後、緩やかな推移
- 配当や優待も重要だが、企業の本質を見ることが重要
ORIXの株価情報と業績推移
オリックスの株価情報と業績推移・株価チャートを確認していきます。
株価の指標
株価:2,281.5円
予想PER:10.8倍
PBR:0.82倍
予想EPS:211.26円
時価総額:2兆8,173億円
2023年4月24日終値時点のデータ
最新の株価参考:オリックス(株)【8591】:Yahoo!ファイナンス
同業他社と比較すると平均的な水準です。
業績の推移
下記はオリックスの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2021年3月期は環境の悪化もあり最終利益は1,923億円とやや厳しめに。
2022年3月期は回復しましたが、2023年3月期の最終利益は減益見通しとしています。
株価のチャート
下記はオリックス5年分の週足株価チャートです。

株価は2020年3月に大きく下落しましたが、2021年から想定より早い業績回復・日経平均採用観測などの影響から大きく上昇。
2022年に入ると優待廃止発表や不透明感などから上昇が落ち着き、下落場面のあるレンジ推移をしています。
ORIXの配当情報と株主優待
オリックスの配当情報と株主優待制度を確認していきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:85.6円
予想年間配当利回り:3.75%
配当金の推移について
下記はオリックスの配当金推移です。配当権利日は9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:66円
2019年3月期:76円
2020年3月期:76円
2021年3月期:78円
2022年3月期:85.6円
2023年3月期:85.6円(予)
2023年3月期の配当は据え置き予定としています。
配当性向は2022年3月期が33%、2023年3月期の予想が約40%です。
配当方針の確認
配当方針は「2023年3月期の配当予想については、配当性向33%もしくは1株当たり通期配当金85.60円のいずれか高い方」としています。
株主優待について(廃止予定)
株主優待制度は「カタログギフト」、「株主カード」を実施、優待権利月は3月です。
カタログギフトは5,000円相当で、3年以上継続保有している場合は1万円相当です。高めの利回りで人気の優待でしたが、2024年3月を最後に優待廃止としています。
「今後は配当等による利益還元に集約する」としています。
ORIXの事業内容と今後について
オリックスの事業内容と財務情報の確認と今後について考えてみます。
オリックス(8591)の概要
オリックス株式会社(英: ORIX Corporation)は、日本の大手総合金融サービス企業である。
祖業であるリースをはじめ、不動産、銀行、クレジット、事業投資、環境エネルギー投資、プロ野球球団(オリックス・バファローズ)など多くの事業を手掛けており、グループを通して多角的金融サービス業を提供している。
オリックス – Wikipediaより抜粋
オリックスは国内だけでなく、アメリカやヨーロッパなど諸外国にも展開しています。
法人金融サービス事業・メンテナンスリース事業、不動産事業、事業投資事業・リテール事業、海外事業など多くのセグメントがあります。
3カ月決算の実績
下記はオリックスの連結税引前利益の推移と前期との比較です。

2023年3月期の連結最終利益は2,500億円見通しとしています。
キャッシュフロー
下記はオリックスのキャッシュ・フロー推移です。

営業CFは好調な推移です。
オリックスの今後について
国内アナリストの多くが「財務健全、安定の成長企業」と評価しています。
当然ですが、アナリスト評価・投資格付けは良く変わるため最新の状況を把握する必要があります。
リスクについて
金融事業は信用リスクや市場性リスク、海外事業は地政学上のリスクなどがあります。
事業の多角化はリスクの分散になりますが、リスクが一度に出現した場合、大きなダメージとなるケースもあります。
優待や配当は株式投資の一面
株主優待を廃止予定で配当等に利益還元を集約としています。
配当・優待は株式投資の魅力の一つです。しかし、時としてそれらが自分の投資判断や株価に対してマイナスに働くケースもあります。
重要なのは成長期待値はどれだけあるのか、事業内容や今後の利益についてしっかり分析することです。