日本郵政(6178)の株価は今後どうなる?高配当だが買っても良いのか

「政府保有」+「高配当」な日本郵政株(6178)ですが、かんぽ生命の問題もあり大きく株価が下落しており、今は買うべきではないと考えています。なぜそう思うのか、過去株価の振り返り、現在の株価、各指標、将来性などから今後の株価がどうなるか考えてみました。

日本郵政株を買うべきではない理由

まず一つ目は、かんぽ生命の不正販売問題です。これから顧客2000万人以上に意向確認するなどその影響がどこまで広がるか不明です。

何よりも、この問題はかんぽ生命だけの問題ではなく、販売委託を受ける日本郵便、そして日本郵政グループに問題があると考えられるからです。

過去、このような出来事は「事件は売り」と呼ばれるように他にも問題が見つかったりすることもあるため、今、日本郵政株を保有するのはリスクが高いです。

二つ目は2022年度までに第3次売り出し(PO)を行うことになっており、そこで政府の持ち株比率が約33.4%になる予定です(現在は約57%保有)。過去の売り出しを見ているとその後の株価が軟調になる傾向にあるため、上記の事項も合わせて売り出しまでは待った方が吉です。

日本郵政の株価と最近の動向について

次に日本郵政の株価推移と最近の動向を確認していきます。

日本郵政株の株価推移

下記は日本郵政の週足の株価チャートです。

2015年11月、日本郵政株はそれまで政府が100%保有していましたが民営化に伴い保有株の一部をIPOで1株1,400円で第1次売り出しを行いその後、2017年10月には第2次の売り出しを1株1,322円で行いました。

現在の日本郵政の株価は995円、予想配当は50円で年間配当利回りは5%超えの高配当となっています。PBRは0.3倍とかなり割安となっています。しかし、経常利益は減少傾向に加え、かんぽ生命の問題もあり株価は年初来安値を更新しています。

※株価は2019年9月30日終値参考

以前は消費税増税の影響を考え2018年か2019年に第3次売り出しがされると言われていましたが、かんぽ生命の問題が発生したため落ち着くまでは実行できなくなったとみています。

日本郵政株関連の最近の動き

2018年12月、日本郵政がアフラックへ出資とのニュースが出ると日本郵政から下記の開示が出ました。

当社においては、成長戦略のひとつとして、アフラックとの間で提携強化の検討を進めていることは事実ですが、現時点で開示すべき具体的な決定事項はありません。今後開示すべき事実を決定した場合には、速やかに開示いたします。

日本郵政開示情報より

この開示の数日後に、「日本郵政株式会社とアフラック・インコーポレーテッド及びアフラック生命保険株式会社による「資本関係に基づく戦略提携」について合意しました。」の開示がでました。

そして現在、アフラック普通株式の発行済み株式総数の7%程度を目安に取得を進めており2019年度中をめどに完了予定です。

あらためて日本郵政とは

日本郵政株式会社は日本郵政グループの持株会社である。子会社として日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、日本郵政スタッフ、日本郵政インフォメーションテクノロジーを持つ。総務省所管の特殊会社である。公共企業体の日本郵政公社が前身。

wikipediaより

現在、日本郵政の柱の事業は「日本郵便」「ゆうちょ銀行(7182)」「かんぽ生命保険(7181)」の3つですが、どの事業も人口減少・低金利で収益の先細りが懸念されています。

現在、日本郵政は「ゆうちょ銀行株の74% 」、「かんぽ生命の60%」の株式を保有し、そこから利益の多くを生み出していますが、将来的には両社の株を売却することが決まっているため新たな収入源の確保を急いでいます。

2019年4月に保有していたかんぽ生命株をPOで売り出し保有比率が下がっています。

当初の予定では2017年9月30日までに両株式を全て売却する予定でしたが、現在は具体的な株式売却期限は決まっていません。

また、日本郵政は上場前の2015年2月にオーストラリアの物流会社「トール・ホールディングス」を買収しましたが、2017年3月期に巨額の損失を計上しています。

今後の日本郵政関連の動き

郵貯の預入限度額引き上げの条件として、日本郵政の保有する「ゆうちょ銀行株」の早期売却があります。しかし、かんぽ生命の問題により、こちらも早期売却は厳しくなったと考えられます。

日本郵政のシナリオとしては「かんぽ生命株」と「ゆうちょ銀行株」を売却して、そこで得たお金を「政府が売り出した日本郵政株の自社株買い」と「企業の買収」などに充てることが想定されますがしばらくは動けないでしょう。

現状のゆうちょ銀行は、メガバンクに匹敵する総資産がありながら、完全民営化がされていないために、さまざまな業務を制限されています。また、日本郵政に多額の代理店手数料を支払っています。

昔から比較的年配層の多い地方では政府保証のある郵便貯金が強く、今回の限度額引き上げの影響で民間の金融業を圧迫する可能性があるのでは。と心配の声も上がっています。

今後、ゆうちょ銀行の預入限度額の引き上げがされて、日本郵政が保有するゆうちょ銀行株の売却が完了し、業務の多様化、代理店手数料の見直しが進むとゆうちょ銀行は伸びしろがありそうです。もちろん、業務の多様化にはリスクがつきもので簡単に進まないと思いますが。。。

日本郵政としてはゆうちょ銀行を手放すと、その手放した代わりとなる新たな収入源を確保できないと、厳しい状況が予測されます。

日本郵政株を保有するメリットとは

これまで日本郵政株のマイナスポイントをたくさん記載しましたし今は保有するのはリスクが高いと考えています。しかし、デメリットばかりではなくメリットもあります。

正直、現状の郵便事業には大きな伸びしろは無いですが、もちろん企業もそれをわかっているので新たな収入源確保を急いでいます。その一つがアフラックとの業務提携だと思いますし、これからもさまざまな手を打つでしょう。

もちろん新事業はリスクはあります。事実、2015年に買収したトールホールディングスは巨額な損失を計上しています。とはいえ「政府保有株」というのは最低限の安心感があります(もちろん、絶対安全というわけではないですが)。しばらくは厳しいかもしれませんが、5年、10年後はどうなっているかわからないです。そう考えると長い目で見ると現状の株価が安く買えるチャンスかもしれません。もちろん、現状では不透明感が強いので株価が安いのですが・・・。

また、配当に関しても今のところは大きく減配する可能性は低いと考えられます。かんぽ生命の問題がどこまで広がるか、影響があるかにもよりそうですが・・・

最後に

同じ政府保有株でも日本電信電話(NTT)や日本たばこ産業(JT)が海外進出などで新しい活路を見いだす中で、株価が上昇したこともありますが、日本郵政はこれまでの株価を見てもわかるように、手をこまねいています。

政府保有株という「安心+比較的高配当」という点は良いですが、現時点ではかんぽ生命の問題もあり、日本郵政の先行きはかなり不透明です。

同じような立ち位置(政府保有、高配当)の日本電信電話日本たばこ産業もいくつかリスクは抱えていますが、日本郵政よりは先にさまざまな手を打っている印象です。もちろん、その全てが成功しているわけではないですが、企業として新たなことにチャレンジすることは必要な事だと考えています。

現在、長期的に見れば安い、高配当、政府保有株だから大丈夫。ということでNISAで保有する人が増えているようですが、将来は第3次売り出しも決まっていて今買うのはリスクが高いと考えています。保有したい場合は少なくとも現状のかんぽ生命の問題がある程度落ち着いてからの方が良いと考えています。

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