牛丼チェーンを全国展開する松屋フーズホールディングス(9887)。今後の株価と配当がどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度も確認していきます。
- 牛丼チェーン展開企業内だとPBRは割安水準
- 配当・優待の合計利回りは低くはないが高くもない
- 回復期待と不透明感が混在
松屋の株価情報と事業内容について
松屋フーズホールディングスの株価情報と事業内容を見ていきます。
株価指標
株価:3,655円
予想PER:34.83倍
PBR:1.65倍
時価総額:697億円
2022年2月8日終値時点のデータです。
最新の株価参考サイト:(株)松屋フーズホールディングス【9887】:Yahoo!ファイナンス
PBRは同業銘柄と比較すると割安です。
松屋フーズホールディングス(9887)とは
株式会社松屋フーズ(まつやフーズ、英称:Matsuya Foods Company, Limited)は、牛丼(牛めし)・カレー・定食などを販売する「松屋」などの飲食店をチェーン展開している企業。
2018年10月1日付で持株会社制へ移行。
株式会社松屋フーズ(初代)は株式会社松屋フーズホールディングスへ商号変更され、「松屋」事業は会社分割で設立された株式会社松屋フーズ(2代)が継承した。
松屋フーズ – Wikipediaより抜粋
松屋フーズのメインの事業は「松屋」です。
第2の柱はとんかつ事業の「松のや」、他にも中華・寿司・ステーキ・そばなども展開しています。
松屋の業績推移と株価推移について
松屋フーズホールディングスの業績推移と株価推移を見ていきます。
売上高・経常利益の推移

2020年3月期は過去最高益を更新しましたが、2021年3月期は自粛要請・時短営業などの影響で大きく減益に。
2022年3月期の経常利益は大きく回復する見通しですが、協力金の計上が大きく、営業損益は37億円の赤字見通しです。
株価の推移
下記は松屋フーズホールディングス5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年から下落していましたが、2019年中旬に反転して大きく上昇。
2020年3月に環境の悪化もあり大きく下落、その後はレンジで推移しています。
松屋の株主優待と配当情報について
松屋フーズホールディングスの株主優待制度と配当情報を見ていきます。
株主優待制度について
松屋フーズの株主優待は 全国の「松屋」、「松のや」、「松乃家」、「チキン亭」などで使える「食事優待券(10枚)」です。
権利確定月は3月、100株以上、1年以上の継続保有が条件です。

他の優待のような金券ではなく、松屋の場合はラージ定食・W定食を除く全てのメニューから1品選ぶことができる優待券です。この優待券が10枚付いてきます。(3年以上継続保有は12枚)
また、優待券10枚(未使用)は自社製品詰め合わせセットと交換することもできます。セットの内容は「牛めしの具×4パック」、「豚めしの具×3パック」、「オリジナルカレーの具×3パック」です。
他の牛丼チェーンの株主優待と比較
松屋フーズの株主優待ですが、吉野家、ゼンショーと異なるところは「保有株式数で変わらない、金額ではない」と「長期保有者限定」という点です。
メニューの中には600円以上のものがいくつかあるので100株保有で仮に6,000円相当とした場合、優待利回りは約1.6%です。
配当情報について
2022年3月期の予定年間配当:24円
予想年間配当利回り:0.66%
配当金の推移
下記は松屋フーズホールディングスの配当金推移です。
配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2017年3月期:26円
2018年3月期:24円
2019年3月期:24円
2020年3月期:24円
2021年3月期:24円
2022年3月期:24円(予)
年間配当は24円で据え置き推移です。
配当性向は2020年3月期が17.6%、2021年3月期は最終赤字、2022年3月期の予想が約23%です。
松屋の決算内容と今後について
松屋フーズホールディングスの決算内容確認と今後について考えてみます。
決算内容の確認
2022年1月31日に決算発表。
2022年3月期3Q累計(4-12月)の連結営業損益は25億円の赤字、連結経常損益は51.5億円の黒字と発表。
連結経常利益の通期計画42億円に対する進捗率は122.7%となりました。
今後について
その昔、牛丼業界は値下げ競争で厳しい時代もありましたが、近年では吉野家、ゼンショーも含め比較的好調に推移していました。
しかし、自粛要請・時短営業などで外食業界へ大きなダメージとなりました。今後は回復期待・政府の対策期待もありますが、まだまだ不透明感も強いです。
長期的な目線
短期的には外食業界は松屋フーズに限らず厳しいところが多いです。
しかし、松屋フーズは第2の柱であるとんかつ事業をはじめ、次の柱となるべくラーメン・カレー・ステーキの出店も推進しており長期的な伸びしろはあります。
リスクについて
人件費・原材料費をはじめコストがどこまで利益を圧迫するかという問題もあります。
値上げをすると客足が遠のく可能性があり、値下げ合戦では利益圧迫になる可能性があります。
バランスを取りながらどれだけお客を呼べるかがポイントとなりそうです。