国内大手牛丼チェーンといえば「吉野家」、「すき家」そして「松屋」です。今回は、松屋フーズホールディングス(9887)の株価と配当が今後どうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待の内容と利回りも確認していきます。
- 牛丼チェーンを展開する企業内では割安水準
- 配当・優待の合計利回りは低くはないが、高くもない
- 短期的な業績悪化は避けられないが、長期的な伸びしろはある
松屋フーズの事業内容と株価指標
はじめに松屋フーズホールディングスの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:3,395円
予想年間配当:24円
年間配当利回り:0.71%
予想PER:—
PBR:1.61倍
2020年12月4日終値時点のデータ
PBRは同業銘柄と比較すると割安です。年間の配当利回りは低いです。
松屋フーズホールディングス(9887)とは
株式会社松屋フーズ(まつやフーズ、英称:Matsuya Foods Company, Limited)は、牛丼(牛めし)・カレー・定食などを販売する「松屋」などの飲食店をチェーン展開している企業。
2018年10月1日付で持株会社制へ移行し、株式会社松屋フーズ(初代)は株式会社松屋フーズホールディングスへ商号変更され、「松屋」事業は会社分割で設立された株式会社松屋フーズ(2代)が継承した。
松屋フーズ – Wikipediaより抜粋
松屋フーズのメインの事業はもちろん「松屋」で第2の柱はとんかつ事業の「松のや」です。
松屋フーズの株主優待と配当推移
次に松屋フーズホールディングスの株主優待制度と配当推移を確認していきます。
株主優待制度について
松屋フーズの株主優待は 全国の「松屋」、「松のや」、「松乃家」、「チキン亭」で使える「食事優待券(10枚)」です。権利確定月は3月末で100株以上保有している株主が対象です。2021年3月末からは長期保有が条件になるので注意が必要です。
他の優待のような金券ではなく、松屋の場合はラージ定食・W定食を除く全てのメニューから1品選ぶことができる優待券です。この優待券が10枚付いてきます。

また、優待券10枚(未使用)は自社製品詰め合わせセットと交換することもできます。セットの内容は「牛めしの具×4パック」、「豚めしの具×3パック」、「オリジナルカレーの具×3パック」です。
他の牛丼チェーンの株主優待と比較
松屋フーズHDの株主優待ですが、吉野家HD、ゼンショーHDと異なるところは「保有株式数で変わらない、金額ではない」点です。
メニューの中には600円以上のものがいくつかあるので6,000円相当額以上と言えます。100株保有で仮に6,000円相当とした場合、優待利回りは約1.7%です。
利回りでみると低くはないですが高いとも言えないです。また、株式数を多く保有する場合は優待金額が増える吉野家HDやゼンショーHDの方がお得感があります。
配当金の推移
下記は松屋フーズの配当推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:24円
2017年3月期:26円
2018年3月期:24円
2019年3月期:24円
2020年3月期:24円
2021年3月期:24円(予)
年間配当は24円で据え置き推移です。
2020年3月期の予想配当性向は17.5%、2021年3月期は赤字見通しですが配当は据え置き予定です。
松屋フーズの業績推移と株価チャート
次に松屋フーズの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・経常利益の推移

2020年3月期は過去最高益を更新しましたが、2021年3月期は赤字予想です。売上推移はこれまで好調なので2022年3月期にどこまで戻すことが出来るかがカギです。
株価チャートの推移
下記は松屋フーズホールディングス5年分の週足株価チャートです。

株価は2017年からは下落推移、2019年中旬から上昇しましたが、2020年に入り急落。現在は下落した位置でやや落ち着いていますが、判断が難しいです。業績が好調に戻れば株価は上昇する可能性が高いですが、業績が戻る時期の不透明感は強いです。
松屋フーズの決算内容と今後
最後に松屋フーズの決算内容の確認と今後について考えてみます。
決算内容の確認
2020年11月4日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終損益は25.3億円の赤字と発表、あわせて通期の業績予想は連結最終損益が26億円の赤字見通しとしています。
今後について
その昔、値下げ競争で厳しい時代もあった牛丼業界ですが、ここ最近では吉野家、ゼンショーも割と好調に推移していました。しかし、ここにきて外食業界へのダメージがかなり大きいです。
その他にも人件費をはじめコストがどこまで利益を圧迫するかという問題もあります。今後、消費者の節約志向が強まり、過去と同様に値下げ合戦になってしまえばお互いのクビを絞めることになるのは明らかです。
外食業界は松屋フーズに限らず業績見通しが厳しいところが多いです。しかし、第2の柱であるとんかつ事業をはじめ、次の柱となるべくラーメン・カレー・ステーキの出店も推進しており長期的な伸びしろはあります。
月次売上はまだ前年同期比でマイナスが続いており厳しいですが、じわじわと復活しつつあります。