ITシステムで国内トップの富士通(6702)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- PBRはやや割高感あり、利益は大きく伸びる見通し
- 配当は安定増配推移、株価は不安定な動き
- IT企業からDX企業への変革を目指している
富士通の株価情報と業績推移
富士通の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:17,250円
予想PER:12.11倍
PBR:2.11倍
予想EPS:1,424.60円
時価総額:3兆5,708億円
2022年10月28日終値時点のデータ。
最新の株価参考:富士通(株)【6702】:Yahoo!ファイナンス
PBRにやや割高感があります。
売上高と利益の推移
下記は富士通の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

売上は年々減少、利益は不安定な推移です。
2022年3月期は増益見通しでしたが下振れて減益で着地、2023年3月期は大きく増益見通しとしています。
株価の推移
下記は富士通5年分の週足株価チャートです。

株価は2020年中旬以降で見ると大きく上昇していますが、2022年は大きく下落する場面も出ています。
2000年代ITバブルの頃、多くのコンピュータ関連・電気機器メーカーの株価が大きく上昇し、富士通もその銘柄の一つでした。
富士通の配当情報と株主優待
富士通の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:240円
予想年間配当利回り:1.39%
配当金の推移
下記は富士通の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:110円
2019年3月期:150円
2020年3月期:180円
2021年3月期:200円
2022年3月期:220円
2023年3月期:240円(予)
配当金は毎年増配しています。
配当性向は2022年3月期が23.8%、2023年3月期の予想が約17%です。
株主還元方針の確認
株主還元は「安定配当に加え自己株式取得を積極的に行い、総還元額を拡大」としています。
株主優待について
「現在、実施しておりません。」としています。
富士通の事業・決算内容と今後について
富士通の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
富士通(6702)とは
富士通株式会社(ふじつう、英: Fujitsu Limited)は、日本の総合エレクトロニクスメーカー、総合ITベンダー。
通信システム、情報処理システムおよび電子デバイスの製造・販売ならびにそれらに関するサービスの提供を行っている。
ITサービス提供企業としては、国内2位、世界10位の売上高(2022年)。2015年は、国内1位、世界4位であった。
富士通 – Wikipediaより抜粋
デジタル技術とデータを駆使した革新的なサービス、ビジネスプロセスの変革をもたらすDX(デジタルトランスフォーメーション)企業への変革を目指しています。
決算内容を時系列に確認
2022年4月28日に決算発表。
2022年3月期の連結最終利益は1,826億円と発表、2023年3月期の同利益は2,800億円見込み、年間配当は240円予定としています。
2023年3月期1Q決算
2022年7月29日に決算発表。
2023年3月期1Q(4-6月)の連結最終利益は172億円と発表、前年同期比28.5%減となりました。
2023年3月期2Q決算
2022年10月27日に決算発表。
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終利益は719億円と発表、前年同期比36%増となりました。
今後について
2022年3月期は成長投資、部材調達遅延影響により想定より下振れして着地。2023年3月期は売上拡大に加え、コスト・費用効率化により大きく増益見通しとしています。
需要と競争リスク
国内ではパソコン、スマートフォンなどのハードウェアの価格下落が続いているため、ソフトウエアがカバーする形です。
5Gを含めIT需要はまだ大きいですが、競合メーカーとの技術競争などのリスク、海外売上比率が3割以上あるため、海外売上や為替変動も業績に影響します。
また、半導体などの部品供給状況やコストなどの不安材料もあります。
参考:事業内容|富士通