日本最大の預金金融機関のゆうちょ銀行(7182)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、新設する株主優待制度も見ていきます。
- 割安だが銀行銘柄と考えると比較的ある水準
- 高配当利回りだが減配予定
- 将来は売り出しが決定しているので難しい部分がある
ゆうちょ銀行の株価情報と事業内容について
ゆうちょ銀行の株価情報と事業内容を見ていきます。
株価指標
株価:985円
予想PER:10.55倍
PBR:0.33倍
時価総額:3兆6,933億円
2022年3月9日終値時点のデータです。
最新の株価参考サイト:(株)ゆうちょ銀行【7182】:Yahoo!ファイナンス
PBRはかなり割安ですが、銀行銘柄と考えると割と見かける水準とも言えます。
ゆうちょ銀行(7182)とは
株式会社ゆうちょ銀行(ゆうちょぎんこう、英: Japan Post Bank Co., Ltd.)は、日本の銀行である。
郵政民営化の準備に伴い、2006年9月1日に準備会社として株式会社ゆうちょが設立。2007年10月1日に株式会社ゆうちょ銀行に商号変更して発足。
貯金残高約189兆円で、三菱UFJ銀行の預金残高約182兆円を上回り、2021年3月31日現在で国内最高の残高である。
ゆうちょ銀行 – Wikipediaより抜粋
2015年11月4日に持株会社の日本郵政株式会社とともに東京証券取引所第一部に上場、日本郵政株式会社が保有する株式の11%が市場に売却されました。
また、日本郵政が保有する「ゆうちょ銀行株」は早期に売却をすることが定められていますが、未だに全株式(自己保有株式分を除く)の約89%を保有しています。
ゆうちょ銀行の業績推移と株価推移について
ゆうちょ銀行の業績推移と株価推移を見ていきます。
売上高と経常利益・最終利益の推移

売上・利益ともに伸び悩んで推移しています。
2022年3月期は減益見通しから大きく上方修正し、回復する見通しとしています。
株価の推移
下記はゆうちょ銀行の5年分の週足株価チャートです。

2015年11月に上場し初値は1,680円(売出価格1,450円)でした。
2018年以降は、かんぽ生命の問題などもあり日本郵政グループに対して厳しい見方が強く株価は下落。
2021年以降で見ると、業績見通し上方修正・株主優待新設などの影響もあり上昇するタイミングも出ています。
ゆうちょ銀行の配当情報と株主優待制度について
ゆうちょ銀行の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2022年3月期の予定年間配当:47円
予想年間配当利回り:4.77%
配当金の推移
下記はゆうちょ銀行の配当金推移です。

2017年3月期:50円
2018年3月期:50円
2019年3月期:50円
2020年3月期:50円
2021年3月期:50円
2022年3月期:47円(予)
2022年3月期は減配予定としています。
配当性向は2020年3月期が68.5%、2021年3月期が66.9%、2022年3月期の予想が約50%です。
株主還元方針の確認
配当方針は「中期経営計画期間中(2021年度~2025年度)は、配当性向は50%程度とする方針」としています。
以前の方針は「2020年度末までは1株当たり年間配当50円を確保」としており、利益次第ではさらに減配する可能性も想定されます。
株主優待制度について
ゆうちょ銀行の株主優待制度は「オリジナルカタログ(3,000円相当コース)」です。
優待権利月は3月、500株以上保有が対象です。
2022年3月末から実施開始としています。
500株保有で3,000円相当なので優待利回りは約0.6%です。
ゆうちょ銀行の決算内容と今後について
ゆうちょ銀行の決算内容確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2022年2月14日に決算発表。
2022年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は3,945億円と発表。
前年同期比25.6%増、通期計画の4,850億円に対する進捗率は81.3%となりました。
今後について
国債利息の減少に伴い、運用の多様化一環として国際分散投資を進めています。
外国証券の運用比率が年々増えていますが、為替変動の影響などリスクも増えることになります。
業務許可・委託手数料
ゆうちょ銀行株は日本郵政が大量に保有しているため、新規業務を行うのに許可が必要です。
さらに日本郵政に対して多額の委託手数料を支払っています。(2020年3月期、2021年3月期ともに郵政管理・支援機構への拠出金を含め約6,000億円)
株式売出について
ゆうちょ銀行株を大量に保有している日本郵政ですが、段階的に売り出すことが決定しています。
売却時期は明確に決まっていないですが、売り出しの際には注目を集める可能性もあり株価が大きく動く可能性もあります。
また、株主優待新設も売り出しに対する一つの対応策なのかもしれません。
将来性
2022年3月期は国際業務部門の資金運用収益が想定以上に好調で業績回復見通しです。
また、将来、日本郵政の手を離れて業務制限や委託手数料の問題が改善されれば伸びしろは大きいです。
しかし、簡単に解消される問題ではなく、他のリスクが発生する可能性もあります。