競技用シューズ最大手のアシックス(7936)。今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度も確認していきます。
- 割高感あり、低めの配当利回り
- 業績好調見通しで株価上昇
- 伸びしろもあるが、当然リスクもある
アシックスの株価情報と業績推移
ASICSの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:3,040円
予想PER:26.51倍
PBR:2.83倍
予想EPS:114.69円
時価総額:5,772億円
2022年12月5日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)アシックス【7936】:Yahoo!ファイナンス
PER、PBRともに割高感があります。
売上高と利益の推移
下記はアシックスの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年12月期は最終損益が161億円の赤字も、2021年12月期に大きく回復。
2022年12月期は増収・増益見通しとしています。
株価の推移
下記はアシックス5年分の週足株価チャートです。

株価は長期で厳しい推移でしたが、想定以上の収益回復の速さから2021年5月に急上昇。
2021年12月以降は調整的に下落する動きも出ていましたが、2022年11月に業績上方修正の影響からマドを開けて大きく上昇しました。
アシックスの配当情報と株主優待
ASICSの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2022年12月期の予定年間配当:32円
予想年間配当利回り:1.05%
配当金の推移
下記はアシックスの配当金推移です。配当権利月は、6月(中間配当)と12月(期末配当)です。

2017年12月期:23.5円
2018年12月期:24円
2019年12月期:30円
2020年12月期:24円
2021年12月期:24円
2022年12月期:32円(予)
2019年12月期は普通配当24円、創立70周年記念の配当が6円です。2022年12月期は増配予定としています。
配当性向は2021年12月期が46.7%、2022年12月期の予想が約28%です。
配当方針の確認
アシックスの配当方針は「企業価値および1株当たり当期純利益を高め、安定的な配当を実施」としています。
株主優待制度について
アシックスの株主優待は「自社製品割引券」です。優待権利月は6月と12月の年2回です。
保有株式数 | 1年未満 |
---|---|
100株以上 300株未満 | 自社直営店 20%割引券10枚(1年未満) 自社直営店 30%割引券10枚(1年以上~3年未満) 自社直営店 30%割引券10枚(3年以上) |
300株以上 | 自社直営店 30%割引券10枚(1年未満) 自社直営店 30%割引券10枚(1年以上~3年未満) 自社直営店 40%割引券10枚(3年以上) |
100株以上 | オンラインストア 25%割引(1年未満) オンラインストア 30%割引(1年以上~3年未満) オンラインストア 30%割引(3年以上) |
普段からアシックスの製品を利用している人には良い優待ですが割引券というのもあり、人気優待とは言いにくいです。
アシックスの事業・決算内容と今後について
ASICSの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
アシックス(7936)とは
株式会社アシックスは、競技用シューズやスニーカー、アスレチックウェアなどを製造、販売する日本の多国籍企業。
スポーツシューズに強みを持ち、とりわけマラソン競技、バレーボールなどでは高いブランド力を持つ。
海外売上は年々拡大しており、2015年には海外売上比率76%を達成する等、グローバル企業として高い知名度を誇る。
アシックス – Wikipediaより一部抜粋
北米・欧州をはじめ新興国へも拡大し、海外売上比率は7割を超えます。
決算内容を時系列に確認
2021年12月期の連結経常利益は221億円と発表。2022年12月期の同利益は225億円見通し、年間配当は32円予定としています。(2022年2月10日の決算発表にて)
2022年12月期1Q決算
2022年12月期1Q(1-3月)の連結経常利益は110億円と発表、前年同期比25.3%減となりました。(2022年5月11日の決算発表にて)
2022年12月期2Q決算
2022年12月期2Q累計(1-6月)の連結経常利益は189億円と発表。また、通期の同利益を225億円予想から260億円予想に上方修正しています。(2022年8月12日の決算発表にて)
2022年12月期3Q決算
2022年12月期3Q累計(1-9月)の連結経常利益は342億円と発表。また、通期の同利益を260億円予想から320億円予想に上方修正しています。(2022年11月11日の決算発表にて)
今後について
中期経営計画2023にて、経営基盤の強化・収益事業の拡大を進めています。短期的には海外売上比率が高いため、円安による為替レート見直しにより業績上方修正を行っています。
厳しい業績から回復
2020年12月期はマラソンを含めたスポーツイベント延期や中止などもあり厳しい業績となりました。しかし、2021年12月期は主に欧州・中華圏が想定以上に好調で大きく回復しました。
好調継続とリスク
2022年12月期は物流コスト上昇などの警戒もありますが、欧州・中華圏が引き続き好調見通し、オセアニアやアジアなどでも伸びる可能性を秘めています。
しかし、為替影響、諸外国では環境・経済状況などのリスクがあります。また、国内では厳しい状況が続いています。