株式投資のナンピンは危険なのか。ナンピンの基本とメリット・デメリットを考察

保有株の株価が下落した時にとる行動は、大きく分けると3パターンあります。「静観して何もしない」、「諦めて損切りする」、そして「追加で購入する(ナンピンする)」です。

今回は「追加で購入するナンピン買い」が危険と言われている理由とナンピンの基本、メリット・デメリットを見ていきます。

ナンピン買いのPOINT
  • ナンピン買いとは「損を平均する」という意味
  • あくまでも「確率上の有利」と「損失額の不利」の交換
  • ナンピン買いはハイリスクとなることもある
スポンサーリンク

株式のナンピンとは

まずは「ナンピン」の基本を見ていきます。

ナンピンとは

難平(ナンピン。何品とも)とは、株式など相場の売買手法の一つ。

「難」は損のことを指し、それを「平均」することから、難平と書く。難平は結局、確率上の有利と、損失額における不利の交換に過ぎない。

難平 – Wikipediaより一部抜粋

ナンピンとは「平均買い付けコストを下げる」ことです。

参考:ナンピン|証券用語解説集|野村證券

具体的なナンピン例

1株1,000円の銘柄を100株購入したとします。その後、株価が900円まで下がったので「買った時より安い」と追加で100株購入するのがナンピンです。下記のような形です。

 株価株数購入額
1,000円100株100,000円
追加購入900円100株90,000円
合計 –200株190,000円

この場合、950円で200株購入したのと同じ状態となります。(手数料は考慮せず)

ナンピンした場合、しなかった場合の比較

株価が「1,000円に戻った場合」と「800円になった場合」が下記の表です。

保有株式数 株価1000円株価800円
ナンピンなし100株保有 1,000円0円-2万円
ナンピンあり200株保有 950円+1万円-3万円

ナンピン後に上昇して株価が戻った場合

株価が購入時の価格に戻った場合、ナンピンしていないと利益はないです。しかし、ナンピンした場合は利益が出ます。

ナンピン後に更に下落した場合

ナンピン後に株価が更に下落した場合、損失が膨らみます。

つまり、ナンピン買いをした場合、株価が上昇すればプラスに必要な時間が早くなりますが、下落し続けると損失が大きく膨らむことになります。

ナンピン買いとは「プラスにできる確率が高くなるメリット」と、「損失額が大きく膨らむ可能性のあるデメリット」が共存するハイリスクな行動です。

スポンサーリンク

ナンピン買いが危険な理由

ナンピンについては人それぞれ考え方があります。薦める人もいれば、絶対にダメという人もいます。そこで「良いナンピン」と「悪いナンピン」について考えてみます。

良いナンピンとは

良いナンピンのパターンとしては「長期保有前提で、複数回に分けて購入する」という計画をあらかじめ立てている場合です。ナンピン買いというよりは定期購入に近い形です。

上がっても下がっても購入

余裕資金の状況を考えて、複数回に分けて購入するのはリスクを減らす一つの方法です(その分手数料はかかりますが)。

特に長期保有を考えた場合、一度に購入するのではなく、状況を見ながら仮に株価が上昇しても保有株式数を増やす方法も一つの考えです。

悪いナンピンとは

悪いナンピンのパターンは、事前に計画しておらず株価が下落して「安く買える」と慌てて購入する場合です。

株は上がり続ける・下がり続けることが良くあります。相場全体が冷えて下落するとき、下落が暴落を呼び暴落が大暴落につながることもあります。

「プラスになる確率が上昇」は机上の計算

ナンピンをすれば損益分岐点が下がり、数字の上ではプラスになる確率が上がります。しかし、あくまでも数字上です。

元々「株価が上がる」と考えて購入した場合、その読みが正しければ自分の購入した株価より上がるはずです。しかし、ナンピン買いをする時は株価が下落しているため、「自分の読みが外れているのでは」と考えるのが重要です。

過度なナンピンは塩漬けを生む可能性

長期で株式を保有している場合、どこかで大きく下落する可能性があります。この時にさらに安く買えるチャンスだと買い増ししたくなる気持ちもわかります。

しかし、一度ナンピンをしてしまうと、その後さらに安くなった時「さらに安く買える」とドンドン保有株式数が膨らみます。最終的に全く動けなくなり、塩漬けとなるケースも良く聞きます。

ナンピンの考えは「人それぞれ」。ナンピンがダメとは思いませんが、投資でやっていけない行動の一つは「慌てる」ことです。

最後に

株価が下落したとき、考えるのはナンピンではなく損切りです。

事前の想定を思い返す

株価が上がると思い購入した銘柄が下がったのですから、さらに追加で買うのは当初の考えに反する行動です。

もちろん、株価下がったからと損切りを繰り返せば損切り貧乏になってしまうので、そのバランスは非常に難しいです。株価下落時は「安く買える」と考えるのではなく「なぜ株価が下落したのか」をしっかり考えることが重要です。

想定外の出来事も

購入時に損切りするポイントを決めておいても、購入時には無かったリスクが発生することがあります。特別な事情が発生した場合、保有を続けた方が良いか、損切りをした方が良いかは常に迷うポイントです。

損小利大の考え

投資の基本は「損小利大」です。

投資で「100%勝ち、常に利益を上げる」のは不可能です。損を小さくして利益を大きくするのが重要なポイントです。ナンピンという行為は損をしたくないという行動心理で、損失額を増やす可能性のある「損大利小」となる可能性のあるハイリスクな行動です。

ナンピンが必ずしもダメと言うわけでは無いです。しかし、そのナンピンは初めから計画していたのか、危険ではないか、冷静な判断は出来ているか、よく考えることが重要です。

参考:見切り千両|証券用語解説集|野村證券

タイトルとURLをコピーしました