株価下落時に「どこまで下落するのか」を判断するのはものすごく難しいです。「どこまで下がるか分からないので売ったら上昇した」、「下落したので買ったら更に下落した」というのはよくある話です。
今回はチャートから下落の目安を簡単に見つける方法について考えてみます。世の中には多くの探る方法(移動平均、RSI、フィボナッチなど)があります。つまり、逆を言えば完璧なものは無いとも言えます。あくまでも「参考」です。
- 過去に何度か止まったことのある場所は要注意
- 完璧な位置を探る方法は無く、あくまでも参考
- どのように行動するか事前に決めておくのも重要
株価推移と出来高について
まずは実際にチャートを見て過去の株価を検証してみます。
実際のチャート例1
下記はソフトバンクグループ(9984)の週足株価チャートと価格帯別出来高です。

サポートライン
サポートラインは下値支持線とも呼ばれ、過去の安値と安値を結んだラインです。このラインに近づくと「株価の下落スピードが鈍って反発しやすくなる」と言われています。
5,000円あたりがサポートラインと言えます。
価格帯別出来高
右側の黒い部分が価格帯別出来高で「大きいほどその株価での取引量が多い」のを示しています。6,000円あたりの出来高が多いです。
メドとして
現在の株価は「表示期間内の出来高が一番多い価格帯よりも上」にあります。これは、チャート表示期間内に取引した投資家の多くが含み益を抱えていることを示しています(8,000円台後半、9,000円付近でも出来高が多いのでマイナスの投資家も多いとも言えます)
利益確定売り、サポートラインを考えると、下落した時の一番大きな目安として6,000円、更に下落した場合は5,000円付近と見ることが出来ます。
実際のチャート例2
下記はトヨタ自動車(7203)の週足株価チャートと価格帯別出来高です。

出来高の多い場所に挟まれる形です。下落した場合の目安としては1,900円付近、上昇した場合は2,600-2,700円付近が目安となりそうですね。あくまでも価格帯別の出来高を考えた場合ですが。
過去の動きはあくまでも参考
価格帯別の出来高が多い場所は、過去の売買が活発だった位置です。
過去のデータですが、株価は同じような位置で止まることも多いです。株価が上昇している時、下落している時の目安となることもあります。
参考にならないケースも
過去の動きはあくまでも参考程度です。
大きな出来事があれば過去のデータが全く参考にならないほど大きく動くこともあります。また、普段の出来高が少ない銘柄には適用できません。
最後の判断は自分自身
テクニカル全般に言えますが「過去の傾向を表したもので100%当たるのは無いです」。
近年では、2020年3月頃に大きく下落した銘柄が、2021年に大きく回復して過去最高値となった銘柄も多くあります。テクニカルが当てはまらない、通用しない時、どのように行動するかを事前に考えておくのも重要です。