株主優待に潜むリスクを考察。お得優待・人気優待は要注意

株主優待制度は日本企業の多くが実施しており興味ある投資家も多いです。優待人気ランキングで雑誌で特集を組まれたり、証券会社が優待を紹介することも多いです。

今回は株主優待の基本とメリット・デメリット、株主優待のリスクについて考えてみました。

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株主優待の基本について

まずは「株主優待」の基本について確認していきます。

株主優待とは

株主優待(かぶぬしゆうたい)は、株式会社が一定数以上の自社の株券を権利確定日に保有していた株主に与える優待制度のこと。略して株優(かぶゆう)と呼ぶこともある。

株主優待を実施する企業が日本にだけ多い理由は、返礼品が人気のふるさと納税と同様、中元・歳暮などの日本の贈答文化が普及の下地との指摘があるほか、主に投資信託経由で株券に投資する欧米と違い、日本では個人が株券を直接持つ傾向が強いことが指摘されている。

なお、日本の国内企業から世界の投資家、世界の日本人投資家への株主優待の発送は行われていない。

株主優待 – Wikipediaより抜粋

企業が「感謝の気持ち」として株主優待を実施したところ、個人株主が増えて株価が大きく上昇したことをきっかけに、多くの企業が株主優待を導入することになったと言われています。

株主優待の種類

株主優待制度の内容は企業によりさまざまです。

主なものとして「食品や日用品などの自社商品の詰め合わせ」、「自社サービス・自社店舗で使える商品券や割引券」、「グループ会社、関連企業などの商品が多く含まれるカタログギフト」、自社とは関係ない「QUOカードなどの金券・商品券」などがあります。

また、保有株式数・保有期間により内容が変わる場合もあります。

株主優待のメリットについて

多く企業が株主優待を実施し、多くの投資家が株主優待銘柄を保有する理由はメリットがあるからです。

企業側のメリット

企業側が株主優待を実施するメリットの一つは保有する個人投資家が増える」点です。

保有する個人投資家が増えると企業価値の向上・流動性の確保などでプラスとなります。また、株価の下値支えになる事もあります。

個人株主を増やしたい、知名度を上げたい企業は株主優待を積極的に導入しています。

投資家のメリット

投資家側のメリットとしては、配当金と同じインカムゲインという点です。

お得感のある株主優待はたくさんあり、人気の株主優待銘柄は「株価が下がった時に買いたい」と狙っている人も多く、業績が悪くても株価が下がりにくいケースもあります。

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株主優待のデメリット・リスクについて

株主優待には当然デメリット・リスクもあります。投資では常にメリット・デメリットの両方をしっかり確認することが重要です。

配当金と同じ払い出し

当然ですが、株主優待を実施するにはお金がかかります。

自社製品・QUOカード・カタログギフトや自社で使える商品券など優待の種類は多岐にわたりますが、人件費や製作費・輸送費などのコストが発生します。

株主優待の負担が利益を圧迫し、優待改悪や廃止となるケースもあります。

株価下落のリスク

株主優待の廃止や改悪で大きく株価が下落するリスクを抱えています。

「株主優待目的」で保有している人が一定数いる以上、株主優待が廃止・改悪となれば株を売却する人が出てきます。

お得優待・人気優待のリスク

「お得」や「人気」と言う言葉は「なぜお得なのか」、「なぜ人気なのか」を要因を考える必要があります。

お得や人気は警戒が必要

「お得優待」の中には厳しい業績が続いている銘柄もあります、また「人気優待」は良く紹介されているため、多くの人が知っています。

どちらも株価が過熱気味(高くなりすぎている)可能性があります。もちろん、人気優待がダメと言うわけではないです。

優待に限りませんが、お得や人気、オススメという言葉は投資で「警戒する言葉」です。

株主優待の前に考える株の基本

株主優待は非常に有効な制度で日本株投資の楽しみの一つです。しかし、個人的に「株主優待」だけを見て株を保有するのは危険と考えています。

株の基本は会社の業績や業務内容、将来性をしっかり考えて「株主優待がなくてもその会社の株を保有したいか」です。

優待はあくまでも還元方法の一つ

株主優待を行う素晴らしい会社はたくさんあります。しかし、中には優待を無くすと株価が下がるから「無理に優待を継続している企業」もあります

そのような企業は、業績が回復しないといずれは優待が無くなり株価が下落、売りたくても売れない塩漬け株となる可能性があります。

業績が悪く利益が無ければ、優待に限らず配当などの「還元」、企業成長のための「投資」も出来なくなります。

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