日本株式の配当金狙い投資。理想と現実と注意ポイントを考察

「株式の配当を定期的な収入源としたい」のを目標として投資を行う人は大勢います。私も長期保有で受け取る配当金を増やしたいと考えています。

今回は「日本株の配当金狙いの投資」で理想的な話と現実的な話、注意するポイントを考えてみました。あくまでも「日本の個別株」で考えています。

配当金狙い投資のPOINT
  • 配当金だけで生活するほどの収入は、現実的にかなりハードルが高い
  • 目先の利回りばかりだと、高リスクの可能性があるので注意
  • 長期の投資では焦らずコツコツが重要
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配当金で生活するのに必要な投資金額

まずは「資金(元手)」がいくらあれば「配当金だけで生活」をすることが可能なのか考えてみます。配当狙いのある意味最終目的地であり理想とも言えそうです。

株の配当金について

日本の個別銘柄に限定して考えてみます。配当金は高い銘柄で年間5%の利回りを超える銘柄もあります。

しかし、実際に配当金収入で生活している多くの人は年間配当利回り3%程度を目安にしています。

配当利回りについて

日本株で年間配当利回り5%以上となると約100銘柄、3%以上だと1,000銘柄以上と大きく差があります。リスク分散を考えると、3%あたりが現実的な数値と言えそうです。

※株価により利回りは異なるため参考値です

日本株式全体の平均配当利回りは上場先・業種などで異なりますが、約2%です。

参考:国内株式指標:日経電子版

必要な元手資金

年間配当利回り3%と考えた場合、1年間で150万円の配当金を受け取るには資金が5,000万円必要です。

なかなか厳しい数値ですが、配当金生活を行っている人の多くは5,000万円が最低ラインと考えているようです。

生活に最低限必要なお金とは

人により1カ月の生活費は大きく異なります。住んでいる地域、場所により家賃は大きく変わりますし、持ち家か賃貸でもかなり違います。

一人暮らしの生活費は平均で16万円と言われていますが、月に10万円で十分生活できる場合もあり、人それぞれです。

目標ライン

実際に配当金生活している人は持ち家(ローン返済済み)や年間200万円以上(月16万程度)の配当金収入の人が多いようです。

※他に収入がない場合、総合課税で確定申告すれば税率はかなり落とせます。150万くらいであれば多分7%くらいですが、とりあえず年150万円とします

参考:一人暮らしでの生活費はいくら必要?

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配当金を副収入として考えた場合・配当狙いの注意点

「配当金で生活する」を理想目標と考えた場合、直ぐには必要資金が多く大変です。そこであくまでも副収入と考えた場合と、配当狙いの注意点を考えてみます。

副収入的な考え

ぐっと目線を下げて1カ月50,000円を第1目標として考えてみます。

平均利回り3%と考えた場合、資金は2,500万円必要です。だいぶ必要資金は下がりましたが、それでも大きな資金が必要です。

また、資金を全て株式として保有している前提のため、現実にはもっと資産自体は必要で、あくまでも投資に回せる金額として必要な額となります。

配当狙いの注意点

配当金生活を狙う場合も副収入として考える場合も、保有している銘柄の配当金が減少したり、無くなってしまったら元も子もないです。

配当利回り3%で年間60万円を配当金で受け取るには約2,500万円必要ですが、5%の場合は約1,500万円です。必要資金がグッと下がりますが、当然、その分リスクが大きくなります。

長期で安定しないと収入源とは言えない

一部ならまだしも、資金のほとんどを年間利回り5%以上の銘柄に投資するのはかなりリスクが高いです。

仮に今の配当金が良くても、配当が維持できなければ「配当金収入を受け取る投資」は失敗です。

現時点よりも将来

保有する銘柄は現状の利回りを見るのではなく、無理に配当を出していないことを確認する必要があります。

例え、10年以上減配していなくても、会社の方針で減配しないとしていても、利益以上の配当を出し続けるのは不可能です。

具体的なリスクが高い状況の銘柄とは

たこ足配当と呼ばれる銘柄は今は良くても、いつか崩れる可能性がありリスクが高いです。

具体的には「配当性向100%超えが何年も続いている」「配当性向が年々上昇している」、「利益が年々減少している」銘柄は注意が必要です。

たとえ利益が減少していても巻き返しが可能か、難しいかでも異なります。手元資金・財務状況も銘柄で大きく異なります。

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最後に

「配当金だけで生活」するのは理想の一つですが(実際にしている人もいます)、必要資金を考えるとハードルがかなり高いです。しかし「配当金」は株式投資のメリットの一つです。

じっくりコツコツと

配当金収入をコツコツと増やしていけば将来大きな金額になります。

しかし、一度に大きく配当金収入を増やそうとすると、銘柄に偏りが出てリスクが大きくなります。

株式会社の基本

株式会社の基本的な仕組みとして、会社がしっかりと利益を上げれば配当金は増えていき、反対に利益が減れば配当金は減ります

若い企業は利益を会社の成長に充てるケースが多いので、全ての銘柄に当てはまるわけではないですが、成熟企業の多くは基本的に業績が良くなれば配当も増えます。

高配当の理由

「10年後、どの会社が成長しているか」完璧にわかる人は世の中にほとんどいないと思います。

しかし、年間配当利回りが常時5%を超える高配当銘柄はそれなりのリスクを抱える銘柄が多いです。なぜなら、高配当でリスクが小さければ保有する人が増え、株価が上昇して利回りが下がるからです。

仮に今の利回りが3%でも、将来、増配すれば実質的な利回りが上昇します。配当金狙いに関わらず、投資で重要なのは「今を見るのではなく、将来を考えること」です。

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