FXはゼロサムゲームと言えない2つの理由。ゼロサムと言われる理由について

「FXはゼロサムゲーム」という話を耳にすることがあります。
私は、この認識は見方により変わると考えています。

今回は「ゼロサムゲーム」とはどういう意味なのか、
FXがゼロサムゲームと言える理由、言えない理由を見ていきます。

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ゼロサムゲームとは何か

はじめに、そもそも「ゼロサムゲームとは何か」を見ていきます。

ゼロサムゲームとは

ゼロ和(ぜろわ、英: zero-sum)とは、複数の人が相互に影響しあう状況の中で、全員の利得の総和が常にゼロになること、またはその状況を言う。

ゼロ和 – wikipediaより抜粋

ゲーム終了時、開始時より点数が増えている人もいれば、減っている人もいます。しかし、参加者全員の点数を合計すると開始時の合計と変わらないもの、これがゼロサムゲームです。

ゼロサムゲーム例

ゼロサムゲームの例として麻雀があります。

麻雀は4人がそれぞれ2万5000点を持ち、点数の奪い合いをします。最終的に5万点持っている人がいれば、1万点しかもっていない人もいます。しかし、4人全員の点数を合わせれば必ず10万点となります。

ゼロサムゲームとは、ゲームに参加している人たちだけで点数の奪い合いをすることです。

FXがゼロサムゲームと言えない2つの理由

為替相場はFX取引だけではない

当たり前ですが、ドル円やユーロ円などそれぞれの為替レートはFXの取引だけでは決まりません。外貨預金の金額、空港や両替所での外貨への交換、輸入や輸出を行っている企業も為替レートに影響を与えます。

FX取引以外の為替影響

円安ドル高になった場合、アメリカに輸出している日本企業は為替利益を手にすることができますが、アメリカから輸入している日本企業は普段より高い値段で買うことになるので損をします。FX以外でも為替レートは様々なところに影響します。

為替市場全体ではゼロサム

為替に関わる市場全体で見ると「ゼロサム」となりますが、FXだけではゼロサムにはなりません。極端な事を言うとFXが無くなっても為替レートは存在します。為替レートが存在しなくなるには、各国間の取引全てが無くなる必要があります。

業者がレートを決めている

もう一つ、FXがゼロサムでない理由があります。それは店頭取引のFXでは業者が独自にレートを決めていることです。株の場合、証券会社は「取引所取引」や「仲介取引」が基本なので、あくまでも売買手数料で利益を出しています。

FX業者の利益

FXの場合、業者が複数のレートを参考に独自にレートを出しており、業者ごとにレートが異なります。特に大きくレートが動くときは「買い」と「売り」の差(スプレッド)がとても大きく広がる業者もあれば、レート履歴にない金額で取引が成立することもあります。

FX業者はこの「買い」と「売り」の差で儲けていると言われていますが、それ以外にも、中には顧客の損失が利益になって業者もあります。「買値」と「売値」の差を業者が自由に決めている以上、ゲーム参加者から参加料を取っているのです。

※FXには「くりっく365」と呼ばれる取引所取引もあります。くりっく365を取り扱う業者は手数料で利益を出すため、スプレッドが広い傾向にあります。

業者を勝者としてカウント、FX取引以外をノイズとすれば、ゼロサムゲームと見れないこともないです。それを言い出すと全てがゼロサムゲームになりますが。

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FXはゼロサムと言う勘違い

よくFXはゼロサムゲームと言うのを見かけます。

なぜFXはゼロサムと言われるのか

為替レートは相対的な価値です。「買っている人」と「売っている人」によってレートが変わってきます。このことからFXはゼロサムだ。という事が言われますが、為替レートはFXに関わっていない人の影響も受けます。

ゼロサムに関するアノマリーも実在した

今では使えないと考えているFXアノマリーの一つに「ゴトー日の仲値トレード」と言うものがあります。簡単に言うと「毎月5の付く日にドルから円に両替するなどの実需が増えるので円安になる」というもので、昔は有効なアノマリーでした。

FXがゼロサムゲームではない例だと個人的には考えています。

※現在はゴトー日の仲値トレードに優位性はほぼないと個人的には考えています。

外国為替取引はゼロサムゲームですが、外国為替証拠金取引(FX)はゼロサムゲームではないです。細かいですが、意外と重要です。

最後に

FXはゼロサムゲームではなく、業者が介入することで「マイナスサムゲーム」になります。しかし、FX以外が為替に影響することでプラスにもマイナスにもなる可能性を秘めています。

FXをオススメするわけでは無い

損をする人が多いと言われているFXですが、資金管理をしっかり行い、レバレッジを小さくして利益を上げている人はたくさんいます。反対に、レバレッジを大きくし損切りをしないなど資金管理ができていない人は損をしている人が多いです。

当たり前ですが、投資は「大きな利益を狙うと、大きく損をする可能性があります」。FXに限らず投資には向き、不向きがあります。投資を必ずやった方が良いとは思いませんが、様々な知識を付けることは良い事だと考えています。

正しい知識・利用方法

「外貨預金は貯金、FXはギャンブル」と言うならば、それは正しい知識が無いと私は考えています。外貨預金は貯金ではないし、FXはギャンブルではないと個人的には考えています。

もちろん、FXは利用方法によってはギャンブルになります。しかしFXがギャンブルというならば外貨預金や投資信託はもっと不公平なギャンブルだと個人的には考えています。

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