キャッシュフロー計算書の基礎

株価は急騰したり急落したりするものです。そんなときこそ基本に戻り慌てずに行動することが大切です。

投資スタイルによりますが、急騰、急落時には売買せず、ゆっくりと企業の研究をして銘柄を選ぶ時間に充てるのも良いかと思います。

今回、いくつかある企業の経営状況を知る方法の一つである「キャッシュフロー計算書」から企業のお金の流れを見ていきます。




キャッシュフロー計算書とは

簡単に言ってしまうと「その会社が持ってるお金」がわかります。

お金が増えたか減ったのか、どこに使っているのか。

例えるなら、会社の家計簿みたいなものです。

家計では、収入が減り支出が変わらないと、場合によっては貯金を切り崩してやりくりすることになります。当然、そのような生活ではいつかは家計が崩壊するように、企業でも収入と支出が釣り合っていないと、いつかは崩れていきます。

計算書の見方

ほとんどの証券会社のサイトで「財務分析」の中に「キャッシュフロー」があるかと思います。中には細かい分析結果を見ることができる所もあります。

その中で間違いなく出てくるのが営業キャッシュフロー(営業CF)投資キャッシュフロー(投資CF)財務キャッシュフロー(財務CF)フリーキャッシュフロー(フリーCF)です。サイトによってはほかの項目もあるかもしれませんが、重要なのはこの4つです。

営業CFとは

本業でお金がどれだけ増えたのか、減ったのかを表します。この項目がプラスの場合、本業が好調であるということです。逆にマイナスの場合、本業で苦戦しているということです。

何年もマイナスが続いている会社は危険かもしれません。

投資CFとは

固定資産、株、債券などの取得・売却でお金がどれだけ動いたのかを表します。企業が成長するためには設備投資が欠かせません。そのため、優良企業・成長企業の多くがこの項目がマイナスです。

プラスとなっている企業は設備、土地や建物、株などを売却してお金を手に入れています。

財務CFとは

借りたお金、返したお金を表しています。株主へ配当金の支払い、借金の返済をした場合はマイナスとなります。借入金などで資金調達した場合はプラスとなります。

優良企業はマイナスであることが多いですが、中には返済を迫られてマイナスの企業もあります。積極的に成長を目指している企業は資金調達も多くなるためプラスであることが多いです。

そのため、この項目は他の項目と合わせて見ることが重要です。

フリーCFとは

営業CFと投資CFを足したものです。本業で稼いだお金から投資分を引いたお金ということで、「自由に使えるお金」となります。

フリーCFが多いほど経営状況は良好であるといえます。ただし、業績が良好な会社でも数年に1度は大きな投資を行います、その時には投資CFのマイナスが大きくなり、フリーCFがマイナスになります。投資がうまくいけば売り上げ増加、経費削減の効果で営業CFが伸びて、結果フリーCFが増加します。

そのため、数期分を見比べて判断する事が重要です。

具体的な判断

優良企業の代表格である花王のキャッシュフロー計算書を見てみます。

決算期営業CF投資CF財務CFフリーCF
2017/12185,845-96,146-53,24489,699
2016/12184,307-88,639-95,04395,668
2015/12181,672-74,124-20,773107,548
2014/12145,118-63,808-85,02281,310
2013/12178,745-57,778-67,459120,967

営業CFがしっかりプラスのため、投資、配当、借金返済に回してもキャッシュが余っています。しっかりと利益を上げているからこそできるキャッシュフロー計算書です

花王は28期連続で増配しており、多くの日本株投資信託のポートフォリオに組み込まれているのも納得です。

次に、今月7日にファンドの傘下に入ることが決定し、上場廃止となるパイオニアのキャッシュフロー計算書を見てみます。

決算期営業CF投資CF財務CFフリーCF
2018/315,943-33,15814,264-17,215
2017/319,614-34,0091,446-14,395
2016/319,292-20,0833,408-791
2015/334,56436,880-55,42471,444
2014/334,242-21,862-88712,380

数年前から厳しいのがわかります。2015年3月期の投資CFのプラスは事業譲渡での特別利益です。一時的な利益を得るために事業譲渡を行い、その後、営業CFが落ちています。

最後に


企業の経営状況を知る方法はほかにもたくさんあります。今回はキャッシュフロー計算書を見ていきました。
一つ一つをしっかりと理解することで少しずつ力がついていきます

キャッシュフロー計算書をみて「あれ?この企業大丈夫かな?」と思っていた企業が新株予約権を行使して株価が急落した。ということも過去にあります。

キャッシュフロー計算書では株価の割安、割高はわかりませんが、会社の経営状況を知ることができます。株価が割安といえど経営状況が悪ければさらに株価は下落しますし、経営状態が良くても株価が割高の場合、株価は下落します。

いろいろな角度から企業を見て投資判断をすることが重要となってきます。

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