2020年3月に大きく下落した日経平均株価ですが、2021年末終値は32年ぶりの高値となりました。
今回は、2020年以降に「需要が増えた銘柄」、「需要が減った銘柄」を分析し2022年に「業績が伸び悩む銘柄」と「成長が期待できる銘柄」を考えてみます。
マイナス影響の業種
2020年以降、業績が大きく悪化した企業は多くあります。赤字となり配当減額、優待改悪などにつながった企業もあります。
外食産業(飲食店)の例
2021年は2020年に続き、外出自粛要請や警戒感などから外食産業は厳しくなりました。しかし、大手外食チェーンは宅配、テイクアウトに力を入れてカバーしたのに加え、協力金の計上もあり株価が大きく伸びた銘柄もあります。
下記はスシローを展開するFOOD&LIFECOMPANIESの株価推移です。

短期的には下落場面もありますが、2020年3月の下落前と比較すると株価は大きく上昇しています。
下記はカッパ寿司を展開するカッパ・クリエイトの株価推移です。

厳しい推移が続いています。
製造業も同様の動き
自動車メーカー、部品を供給するメーカー、生産する化学メーカーなども2020年以降、さまざまな影響を受けています。
しかし、個別で見ると少し様子が変わってきます。多くの自動車メーカー・関連メーカーが打撃を受けましたが、黒字を確保する企業、大きく赤字となった企業があります。
個別でみると大きく異なる動きをしています。
プラス影響の業種
2020年以降、外出自粛要請などで打撃を受けた企業がある中、需要が増えて業績が伸びた企業もあります。
好調なドラッグストアの反動減
2020年4月以降、ドラッグストア銘柄は需要増により好調でした。
下記は業界1位のウエルシアホールディングスの株価推移です。

2020年7月には過去最高値となりました。
しかし、その後は下落する展開も目立っています。
下記はマツキヨココカラ&カンパニーの株価推移です。

インバウンド需要減少により、2020年3月以降も厳しかったマツキヨココカラ&カンパニー(旧マツモトキヨシホールディングス)。
経営統合による期待感などもあり2020年11月以降は上昇が目立ちましたが、2021年10月以降は下落しています。
2022年はどうなるのか?
これらを踏まえて、2022年はどうなるのか考えていきます。
売上・利益の上昇が期待できる銘柄
最悪期の中でも「しっかりと利益を確保した力のある企業」は今後の業績への期待値があります。
もちろん、どのように利益を確保したのかは個別で異なるため、なぜ業績が伸びたのか、なぜ業績が落ち込んだのかを見ると、2022年に期待が持てる銘柄が見えてくるかもしれません。
売上・利益が伸び悩む可能性のある銘柄
2022年以降もまだまだ安心はできません。政府の対策などどうなるか不透明感は強いですが、多くの銘柄を見ていると、2020年度以前から厳しい企業は変わらず厳しい傾向にあると見えます。
もちろん、全ての銘柄に当てはまるわけでは無いですが、特に外食銘柄ではそのような傾向を強く感じます。
また、2021年を見ても分かるように、2020年から反動減している銘柄がいくつもあります。同じように、2021年に特需で好調な銘柄は2022年に反動減する可能性が考えられます。
業種ではなく、個々の企業を見ることが重要
最後に
多くの企業が影響を受けていますが、業種・銘柄によりその影響はさまざまです。日経平均株価はかなり高い水準ですが、日経平均株価はあくまでも日経平均株価です。
業種はあくまでも参考
5G関連だから、AI関連だからというくくりで銘柄が紹介されることがありますが、個々の業績は大きく異なります。
「〇〇関連で上昇した銘柄」のように特集が組まれることもありますが、伸びた銘柄だけを抽出していることも多々あります。
さらにその先
今後も給付金・GOTOなどの経済対策に多くの税金を使うのが想定されます。当然、そのしわ寄せが必ずどこかできます。過去を見ても明らかです。
それが消費税増税なのか、はたまた他で増税するのか。それにより影響を受ける業界、銘柄も異なってきます。