2020年に入り生活がガラりと変化。まだまだ油断できない状況が続いていますが、多くの対策効果もあり、やや落ち着きを取り戻しつつあります。
日経平均株価も一時は大きく下落しましたが下落前の水準まで戻しています。しかし、個別の銘柄を見ると「大きく株価が下落したまま」、「下落前の水準に戻ったもの」、「上昇し高値を更新している」など様々です。
今回は2020年に「特別に需要が増えた銘柄」、逆に「需要が減った銘柄」を分析し2021年度に「業績が伸び悩む銘柄」と「成長が期待できる銘柄」について考えていきます。
打撃を受けた業種とは
2020年度、業績が大きく悪化した企業は多くあります。業績予想を未定に変更、赤字見通しから配当減額、優待改悪などにつながった企業もあります
外食産業(飲食店)へのダメージは大きい
外出自粛要請や警戒感などから外食産業は深刻なダメージを受けました。時短営業や一時休業なども行い、かなり厳しい時期もありました。大手外食チェーンは宅配、テイクアウトに力を入れてカバーしている一方、個人経営の飲食店は閉店を余儀なくされた店も多くあります。
特に2020年4月はテイクアウトが難しい外食店は前年同期比で売り上げが半分近くになるケースもあり、影響が大きかったです。外食業界売上1位のゼンショーホールディングスは牛丼チェーン「すき家」の売上高は前年同期と比較し減少しているものの、レストラン事業の方が減少率が大きいです。
製造業などへのダメージも深刻
また、製造業へも大きな影響がありました。
特に、自動車メーカーは感染対策・需要減少の影響で工場を一時停止。当然、部品を供給するメーカー、生産する化学メーカーなどさまざまな業界が影響を受けています。
日本企業の多くが自動車産業に支えられているのを再認識させられたと言えます。しかし、細かく見ると少し様子が変わってきます。多くの自動車メーカーが大打撃を受けた中でも、何とか黒字を確保する企業、大きく赤字となる企業があります。
恩恵を受けた業種とは
外出自粛要請、需要減少などで打撃を受けた企業が多い中、反対に需要が増えて業績が伸びた企業もあります。
ホームセンター銘柄への需要
ホームセンターはここ何年か全体の売り上げが横ばい傾向にあり、市場では買収・経営統合により、一部企業による寡占化が進んおり、業績に伸び悩む企業も少なくありませんでした。
しかし、2020年に入り在宅需要の増加により多くの銘柄で株価が上昇。やや株価が伸び悩んでいた銘柄もここ数年で高い水準の株価となっています。しかし、2000年代前半の株価までは上昇していない銘柄もあります。
好調なドラッグストア銘柄
同じく、ドラッグストア銘柄も需要増により好調です。
業界1位で株価が上昇していたウエルシアはさらに株価を伸ばしています。他にもスギホールディングス、クスリのアオキも株価は過去最高値を更新しました。しかし、全ての銘柄が上昇したかというとそうではないです。インバウンド需要減少により売上・利益がやや減少見通しのマツモトキヨシホールディングスの株価は上昇できていません。
2021年度の業績はどうなるのか
次に2021年度の業績はどうなるのか考えていきます。
売上・利益の上昇期待のある銘柄とは
まずは「影響を受けて2020年度だけ厳しい業績」となった企業です。当然、通常通りに戻れば復活する可能性は高いです。実際に、外食店では7月、8月と月次売上で大きく戻りつつ企業もあります。
これまで外食を控えていた人の中には通常通りになれば、外食頻度が増える人もいる可能性もあります。製造業は急激に復活する可能性は小さいですが、最悪期は抜け出す可能性が高いです。
最悪期の中でもしっかりと利益を確保できる力のある企業は今後の業績への期待値があります。
また、特需のあったホームセンター、ドラッグストア銘柄に加え100円均一銘柄など低価格な商品が充実している業界は今後の経済不安もあり需要がある程度見込めそうです。
売上・利益が伸び悩む銘柄とは
反対に、2020年度以外にも厳しい業績推移の企業がいくつかあります。飲食企業の中には今回の影響も加わったことで大量閉店を決めた企業もあります。
そのような企業の場合、2021年度以降の業績もどうなるのか不透明感は強いです。
つまり、簡単に言うと「今回の影響を抜きにしても厳しかったのでは」という企業は今後も伸び悩む可能性が高いです。当たり前と言えば当たり前ですが。
最後に
多くの企業が影響を受けていますが、業種・業界。銘柄によりその影響はさまざまです。
経済の停滞等を考えると日経平均株価はかなり高い水準です。しかし、日経平均株価は日経平均株価です。今後は消費税や東京オリンピックなど、どうなるか見えない事も多いです。
給付金・GOTOなどの経済対策に税金を使ったため、そのしわ寄せが必ずどこかできます。過去を見ても明らかです。消費税増税なのか、はたまた他の増税なのか。それにより影響を受ける業界、銘柄も異なってきます。