食材専門商社である正栄食品工業(8079)。2017年に株価が急上昇しました。果たして今後の株価はどうなるのか。業績推移・株価チャートの分析に加え、株主優待制度の内容と利回りも確認してみました。
- 株価に割安感はないが、配当・株主優待の合計利回りは3%超え
- 2021年10月期は減益予想でやや厳しい推移
- 株価は以前の勢いはなく、落ち着いて推移
正栄食品工業の事業内容と株価指標
はじめに正栄食品工業の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:3,565円
予定年間配当:48円
年間配当利回り:1.35%
予想PER:21.8倍
PBR:1.49倍
2020年12月18日終値時点のデータ
株価指標には割安感はないです。年間の配当利回りも低めです。
正栄食品工業(8079)とは
正栄食品工業は食材専門商社として、原料乳製品、油脂類、製菓原材料類、缶詰類、乾燥果実・ナッツ類、菓子・リテール商品類などの輸入および卸販売を行っています。また、食品メーカーとしての事業も行っています。
正栄食品工業の株主優待制度について
次に正栄食品工業の株主優待制度について確認していきます。
株主優待の内容
正栄食品工業の株主優待は100株以上保有で「自社製品の詰め合わせ」、500株以上保有で「通販カタログ掲載商品の50%割引券」をいただくことができます。権利日は4月末と10月末の年2回です。
所有株式数 | 優待品 |
---|---|
100株以上 | 自社製品(菓子類の詰め合わせ) |
500株以上 | 割引商品券 1枚 |
1,000株以上 | 割引商品券 2枚 |
3000株以上 | 割引商品券 3枚 |
5000株以上 | 割引商品券 5枚 |

優待のお得度について
100株以上保有しているといただける自社製品の詰め合わせは内容は異なりますが、大体3,000円相当です。年間で6,000円分とすると優待利回りは約1.7%です。配当と合わせた合計利回りで3%を超えます。
500株以上保有しているといただける割引商品券は1枚につき通販カタログ掲載商品が3,000円まで50%引きとなります。こちらの権利獲得は少しハードルが高いです。
正栄食品工業の業績推移と株価チャート・配当推移
次に正栄食品工業の業績推移と株価チャート・配当推移を確認していきます。
売上高と経常利益の推移

売上は大きく増減していませんが、経常利益はやや減少推移。2020年10月期は増益でしたが、2021年10月期は減益予想です。
株価チャートの推移
下記は正栄食品工業5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は2017年に5倍近く急上昇、その後はやや下落して推移。
2018年末には連続減益見通しから大きく株価が下落しましたが、2019年からのチャートはやや上昇しています。
配当金の推移について
下記は正栄食品工業の配当金の推移です。年2回、中間配当(4月)と期末配当(10月)を実施しています。

2016年10月期:24円
2017年10月期:40円
2018年10月期:46円
2019年10月期:46円
2020年10月期:48円
2021年10月期:48円(予)
2021年10月期は据え置き予定です。
基本方針は「安定的な配当を維持すること」としています。やや減益傾向ですが、2020年10月期の配当性向は28.9%、2021年10月期の予想配当性向は約29%と適正水準です。
正栄食品工業の決算と今後について
最後に正栄食品工業の決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2020年12月14日の決算にて2020年10月期の連結経常利益は43億円と発表、2021年10月期は40億円見通し、年間配当は据え置きの48円予定としています。
今後の見通しについて
2019年10月期は米中貿易摩擦の影響、円高や天候不順の影響などから下方修正を行い非常に厳しい状況でした。2020年10月期は巣ごもり需要の期待がありましたが想定以上とまではいきませんでした。
長期的に見ると米中貿易問題や人件費上昇の他に、中国・アメリカに加工工場があるため、それぞれの国の情勢に業績が左右されます。また、株価に特別な割安感もなくやや利益が伸び悩んでいます。