総合家具大手でヤマダ電機の子会社となった大塚家具(8186)。業績低迷・経営混乱の影響で長期の株価が大きく下落しています。果たして今後の大塚家具はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、上場廃止の可能性についても確認していきます。
大塚家具の事業内容と株価指標について
はじめに大塚家具の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:228円
予定年間配当:0円
予想PER:—
PBR:1.36倍
2021年3月12日終値時点のデータ
連続赤字で配当は無配が続いています。
大塚家具(8186)とは
株式会社大塚家具(おおつかかぐ、Otsuka Kagu, Ltd.)は、家具販売会社である。対外的なコーポーレートブランドネーム(商標)としては「IDC大塚家具」(アイディーシーおおつかかぐ)の名称を用いている。
営業利益は2001年に75.2億円でピークを迎えたが、その後は低迷し、2009年には14.5億円の赤字となる。2009年に父の勝久に代わって娘の久美子が社長に就任したことで業績が回復、赤字は脱却した。しかし2014年に半年だけ勝久が社長に復帰するなど混乱し、久美子が社長に復帰後は、2016年から4期連続で赤字が続いており、2020年には76.1億円の赤字となった。
2020年4月期において、4期連続で営業赤字並びに営業キャッシュ・フローがマイナスとなったことから、2020年7月30日に有価証券報告書提出後に、2年間の上場廃止猶予期間に入った。
大塚家具 – Wikipediaより一部抜粋
2009年以降は社長交代による経営混乱があり、「お家騒動」、「親子喧嘩」などと言われました。現在は久美子社長が退任しヤマダ電機傘下で経営の立て直しを図っています。
大塚家具の業績推移と上場廃止の可能性について
次に大塚家具の業績推移と上場廃止の可能性をみていきます。
売上高と経常利益の推移

2020年4月期は決算期の変更で16カ月決算です。売上は年々減少し、経常利益は5期連続の赤字見通しです。
上場廃止の可能性について
大塚家具は現在、決算短信に「継続企業の前提に関する注記」を掲載しています。簡単に言うと「倒産するリスクがあるのでその内容と対応策を記載する」ということです。
「継続企業の前提に関する注記」を掲載しているからすぐに倒産する、上場廃止するというわけではないです。中には、黒字になり注記が消えるケースもあれば、何年も注記が記載されるケースもあります。とはいえ、現在40社ほど「継続企業の前提に関する注記」が付いている企業がありますが、どれも投資するには当然ハイリスクです。
また、大塚家具は「上場廃止に係る猶予期間」に入っています。猶予期間は2020年5月1日から2022年4月30日まで、期間内に営業利益または営業キャッシュ・フローがプラスにならないと上場廃止基準に該当します。2021年4月期は赤字見通しの為、実質、2022年4月期が最後のチャンスです。
2015年12月期:4.4億円
2016年12月期:-46億円
2017年12月期:-51.4億円
2018年12月期:-51.7億円
2020年4月期:-76.1億円
2021年4月期:-26億円(予)
大塚家具の株価チャートと配当推移・株主優待
次に大塚家具の株価チャートと配当推移・株主優待を確認していきます。
株価チャートの推移
下記は大塚家具5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は長期で大きく下落。下落要因は連続赤字ですが、経営の混乱や先行き不安もかなり株価に影響していると考えられます。短期で見ると株価の下落は収まりやや上昇していますが、勢いは弱いです。
配当金の推移
下記は大塚家具の配当金推移です。

2016年は株価が下落し、配当利回りが5%を超えて注目されました。しかし、以前より利益以上の配当を吐き出し、赤字になったことで配当を出すことができなくなり無配となりました。
株主優待制度
大塚家具の株主優待は「お買い物割引券」です。4月末、10月末の年2回が権利日です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株~999株 6ヶ月以上3年未満保有 | お買物割引券 5%OFF |
100株~999株 3年以上保有 | お買物割引券 8%OFF |
1,000株以上 6ヶ月以上3年未満保有 | お買物割引券 7%OFF |
1,000株以上 3年以上保有 | お買物割引券 10%OFF |
2019年6月末から株主優待制度を導入。優待導入が発表されると株価が若干上昇する気配を見せましたが、大きな流れは変わりませんでした。
大塚家具の決算内容と今後の株価について
最後に大塚家具の決算内容の確認と今後の株価について考えていきます。
決算内容について
2021年3月11日の決算にて2021年4月期3Q累計(2020年5月-2021年1月)の経常損益は19.6億円の赤字と発表。3Q単体で5億円の赤字と変わらず厳しい状況が続いています。
今後について
2019年12月にヤマダ電機の傘下となりましたが、この先、どこまで効果があるか不明です。また、残された時間も少ないのが事実です。日本を含めた各国の経済状況の不透明感は強いです。
しかし、株価はかなり下落した位置なので、さらに下落しても限られる事実です。仮にここから復活することが出来ればかなり安い株価となる可能性はあります。当然ですが、株価が下落しているのはそれだけリスクがあるからですが。