相場格言は失敗経験を元に短い言葉で表したものが沢山あります。そのため、相場格言は「同じ失敗を繰り返さない」、「困った時のヒント」として有効なものがあります。
もちろん、相場格言のすべてが今の現相場環境に通用するとは限りません。使えるもの、使えないものもあります。今回はそんな相場格言「投資の心得」の一つ「株のおすすめ銘柄・推奨銘柄は期限切れ」について考えていきます。
- 推奨・オススメの株を買えば簡単に利益が出るものではない
- 紹介されている銘柄は既に他の人に目を付けられている可能性が高い
- 本当に上がる銘柄はまだ誰にも推奨されていない銘柄
おすすめ株・推奨株は賞味期限切れとは何か
株式投資をしていると各証券会社のアナリスト達、様々な専門家のコラム、雑誌などで「おすすめ銘柄」を見かける機会があります。
信じてしまいがちな推奨銘柄
株に限らず専門家の意見は信用してしまいがちです。例えば、テレビでダイエットに効果がある食品を専門家が紹介すると、次の日に商品がスーパーから一気に消える現象が過去に何度もあります。
専門家の言うことは「なるほど」と納得しそうなことばかりでつい信じてしまいます。合理的な理由もあり、疑うよりも信じる方がはるかに楽です。
アナリストは預言者ではなく解析者
しかし、アナリストや専門家というのはどんなジャンルでも「今、現在を説明する」のは得意ですが、将来を予想することは得意ではないのです。
良い例としては多くの株の専門家が毎年、日経平均株価の予想をしますが、そのほとんどが当たりません。2019年は多くの専門家が日経平均株価2万円以下としていましたが、実際にはそうはなりませんでした。また、コロナの影響があっとは言え2020年3月に日経平均株価が1万6千円台になることを事前に予想した専門家を私は知りません。
また、アナリストが推奨する株というのはすでにアナリストの情報が株価に反映されていることが多く、いわゆる織り込み済みで賞味期限が切れていることが多いです。
おすすめ銘柄は現状分かっていること以上に好材料が出ないと株価は下がることが多く、アナリスト推奨銘柄を購入するのは「割に合わない投資」という格言です。
投資に「絶対」儲かるは無い
当たり前ですが、投資というのはリスクがあります。これは株に限らずどの投資にも当てはまります。100%儲かるものはありません。ものすごい利益を上げている投資家でも勝率100%という人は見たことも聞いたこともありません。
投資では予測できないことが起きる
投資を長くやっている人ほど「何が起きても不思議ではない」というのを何度も経験します。
リーマンショック時、1ドル75円台まで下落、日経平均は1万円を割りどこまで下落するか終わりが見えなかったです。当時はもちろん、今でも信じがたい出来事です。
その昔、「電力会社の株は絶対安全」と言う人が銀行員、専門家含め多数いました。しかし、東日本の震災後に東京電力の株価は10分の1になり、しばらく配当は無配となりました。果たしてこれを予測できた人がいたでしょうか。
相場は何が起きても不思議ではない。長く投資をやっている人ほどそのことを良く知っています。
絶対はないと考え行動することが重要
重要なのは「投資に絶対はない」と考えて行動することです。もちろん、自信をもって行動することは大切ですが、投資では100%勝つことはほぼ不可能です。
絶対勝てると思ってしまうと損切りができず傷口を広げてしまうことはよくあります。
アナリストより先回りすることが重要
本当に株価が大きく上がる銘柄というのはアナリストにもまだ知られていない銘柄な事が多いです。アナリストの多くは指標などの数値や、新技術とその需要を分析することが多いです。
彼らが出すデータは「批判的に」みるくらいがちょうど良いです。そして、彼らとは違う視点で銘柄探しを行うことで株価が上がる銘柄を探すことができると考えています。
前提条件により結果は大きく異なる
「飛行機から飛び降りる時、パラシュートを背負った人と、普通のリュックを背負った人の生存確率は同じ」という有名な話があります。
ほとんどの人が「そんなわけがない」と思うはずです。しかし、実際に検証した結果同じだったのです。
この話の種を明かすと、「飛行機が地表にいる時に飛び降りたため、どちらの人も100%生存した」そのため確率は同じということなのです。
「なんだそれ」と思うかもしれませんが、この前提条件を考えることはとても重要です。
アナリストが推奨する株は「まだ飛び立っていない銘柄(まだ株価に上昇余地がある)」なのか、「すでに飛び立った銘柄(他の人に目を付けられおり株価が割高)」なのかにより、その後の結果が大きく異なります。
最後に
投資格言は他にもたくさんあります。すべての格言が現在の相場でも、未来永劫常に有効とは言えないですが、多くの格言は先人たちが失敗した経験から生まれたものです。
同じ失敗をしないためにも知り、その格言の意図を考えることが重要です。