「みそ汁」や「お茶漬け」で有名な永谷園ホールディングス(2899)。一時は利益減少により株価が下落していましたが、利益回復期待から株価も上昇しています。果たして今後の永谷園の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャートの分析に加え配当推移や株主優待も確認していきます。
- 株価指標に目立った割安感はなし、配当・優待利回りはやや低め
- 売上は好調、利益は大きく回復予定
- 国内はやや厳しい状況、今後は海外がポイント
永谷園の事業内容と株価指標
はじめに永谷園ホールディングスの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,362円
予定年間配当:31円
年間配当利回り:1.31%
予想PER:25.9倍
PBR:1.35倍
2021年2月17日終値時点のデータ
PERはやや割高、PBRは平均的です。年間の配当利回りは低めです。
永谷園ホールディングス(2899)とは
株式会社永谷園ホールディングス(ながたにえんホールディングス、Nagatanienholdings Co.,Ltd.)は、日本の食品企業グループ、永谷園グループの持株会社である。2015年10月1日に株式会社永谷園から商号を変更した。新設の子会社である永谷園をはじめとする事業会社を傘下に持つ。
永谷園ホールディングス – Wikipediaより抜粋
永谷園ホールディングスの主な事業は「国内食料品事業」と「海外食料品事業」です。海外が伸びていますが、まだまだメインは国内です。食料品事業は「お茶漬け・ふりかけ類」、「スープ類」、「調理食品類」を展開しています。

参考:事業セグメント別業績・営業の概況|永谷園ホールディングス
永谷園の業績推移と株価チャート
次に永谷園ホールディングスの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上は好調で13期連続増収です。利益は物流費・原材料費の上昇もありやや苦戦していますが、2021年3月期は大きく増益見通しです。
株価チャートの推移
下記は永谷園ホールディングス5年分の週足株価チャートの推移です。

利益の落ち込みにより2018年10月頃から株価は下落。2020年3月以降は利益回復期待などもあり株価がやや上昇しています。利益予想と過去の株価を考えるとまだ安値水準です。
永谷園の配当推移と株主優待
次に永谷園ホールディングスの配当推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記は永谷園ホールディングスの配当金の推移です。年2回、中間配当と期末配当を実施しています。株式分割後の株数に換算してあります。

2016年3月期:31円
2017年3月期:31円
2018年3月期:31円
2019年3月期:31円
2020年3月期:31円
2021年3月期:31円(予)
配当は年間31円の据え置き推移です。
配当方針は「株主様の利益を重視し、安定した配当を継続的に行っていく」です。2020年3月期の配当性向は48%、2021年3月期の予想配当性向は約34%です。減配する可能性は低そうです。
株主優待制度
永谷園ホールディングスの株主優待は100株以上保有で「自社製品1,000円分」、3月末が対象月です。優待利回りは約0.4%、利回りは低めです。
永谷園の決算内容と今後について
最後に永谷園ホールディングスの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2021年2月12日の決算にて2021年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は42.7億円と発表。あわせて通期の同利益を32億円から39億円に上方修正、連結最終利益を17億円から16億円に下方修正しています。
今後について
2020年3月期の売上高を見ると、国内食料品事業は前年同期比で0.6%減、海外食料品事業は2.7%増です。短期的には自粛要請の影響もあり内食需要が増えて好調ですが、長い目で見ると国内では個人消費の低迷、低価格志向からやや伸び悩む可能性があります。
今後は比較的好調に推移している海外がどこまで伸ばせるかポイントとなりそうです。