「みそ汁」や「お茶漬け」で有名な永谷園ホールディングス(2899)。一時は利益減少により株価が下落していましたが、ここにきて利益が回復してきています。果たして今後の永谷園の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャートの分析に加え配当推移や株主優待も確認していきます。
- 株価指標に目立った割安感はく、配当・優待の利回りはやや低め
- 売上は好調、利益は回復傾向
- 国内はやや厳しい状況、今後は海外が伸ばすポイント
永谷園の事業内容と株価指標
はじめに永谷園ホールディングスの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,416円
予定年間配当:31円
年間配当利回り:1.28%
予想PER:25倍
PBR:1.42倍
2020年11月17日終値時点のデータ
PERはやや割高、PBRは平均的です。年間の配当利回りは低めです。
永谷園ホールディングス(2899)とは
株式会社永谷園ホールディングス(ながたにえんホールディングス、Nagatanienholdings Co.,Ltd.)は、日本の食品企業グループ、永谷園グループの持株会社である。2015年10月1日に株式会社永谷園から商号を変更した。新設の子会社である永谷園をはじめとする事業会社を傘下に持つ。
永谷園ホールディングス – Wikipediaより抜粋
永谷園ホールディングスは主な事業として「国内食料品事業」と「海外食料品事業」を展開しています。海外が伸びていますが、まだまだメインは国内です。食料品事業は「お茶漬け・ふりかけ類」、「スープ類」、「調理食品類」を展開しています。

参考:事業セグメント別業績・営業の概況|永谷園ホールディングス
永谷園の業績推移と株価チャート
次に永谷園ホールディングスの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・経常利益の推移

売上は好調で13期連続で増収です。利益は物流費・原材料費の上昇もありやや苦戦していますが、2021年3月期は増益見通しです。
株価チャートの推移
下記は永谷園ホールディングス5年分の週足株価チャートの推移です。

利益の落ち込みにより2018年10月頃から株価は下落して推移しています。ここ最近では利益回復などもあり株価下落が落ち着き、やや上昇気味のレンジで推移しています。
永谷園の配当推移と株主優待
次に永谷園ホールディングスの配当推移と株主優待制度を確認していきます。
配当金の推移
下記は永谷園ホールディングスの配当金の推移です。年2回、中間配当と期末配当を実施しています。株式分割後の株数に換算してあります。

2016年3月期:31円
2017年3月期:31円
2018年3月期:31円
2019年3月期:31円
2020年3月期:31円
2021年3月期:31円(予)
配当は年間31円の据え置きで推移しています。
配当方針として「株主様の利益を重視し、安定した配当を継続的に行っていく」としています。2020年3月期の配当性向は48%、2021年3月期の予想配当性向は約32%です。減配する可能性は低そうです。
株主優待制度
永谷園ホールディングスの株主優待は100株以上保有で「自社製品1,000円分」、3月末が対象月です。優待利回りは約0.44%、利回りは低めです。
永谷園の決算内容と今後について
最後に永谷園ホールディングスの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容について
2020年11月13日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は19.9億円と発表、通期計画の32億円に対する進捗率は62.3%となりました。
今後について
2020年3月期は国内食料品事業の売上高は前年同期比で0.6%減、海外食料品事業は2.7%増となりました。国内では個人消費の低迷、低価格志向もありやや伸び悩んでいますが、海外市場では「健康」、「高品質」を中心に比較的好調に推移し海外比率が上昇しています。
今後も国内では厳しい状況が続くとみられ、この先は海外がどこまで伸ばせるかがポイントとなりそうです。一時は利益低下から下落していた株価ですが、ここにきてやや持ち直しています。