買った株式をどこで売るか、株式投資における難しい問題の一つです。もちろん「一生売らない」のも一つの選択だと思います。
今回は、株価が「どこまで上昇するのか」、「どこまで下落するのか」をチャートから推測する方法、「利益確定」や「損切り」の目安場所について考えてみます。
- 過去のチャートから視覚的に判断したもの
- 必ず当てはまる訳ではない、当てはまらない時もある
- 多くの事を知り、様々な事から判断するのが重要
株価の下値メドと上値メド推測の基本
今回はあくまでも「株価チャートからの推測する方法」です。
実際には指標の割高感や割安感、業績予想など多くの情報から株価のメドを探ることが重要です。
上値抵抗線(レジスタンスライン)
株価が上昇しているときのメドとして意識されるのが「上値抵抗線」です。
上値抵抗線(レジスタンスライン)は、株価の上値を抑えているライン(価格帯)のことで、主にテクニカル分析に使われます。
たとえば、テクニカル分析では、過去の高値と高値を結んだラインを上値抵抗線とし、このラインに近づくと売り圧力が増し、株価の上昇スピードが鈍くなると定義されています。
上値抵抗線|SMBC日興証券より一部抜粋
実際のチャート例
下記はソフトバンクグループ(9984)の週足株価チャートです。

2020年中旬から2021年に大きく上昇していますが、それ以外では株価6,000円が高値の位置で、株価が高値に近づくと上昇が鈍くなる、跳ね返されるケースがあります。
下値支持線(サポートライン)
株価が下落しているときに意識される代表が「下値支持線」です。
下値支持線(サポートライン)は、株価の下値をサポートしているライン(価格帯)のことで、主にテクニカル分析に使われます。
たとえば、テクニカル分析では、過去の安値と安値を結んだラインを下値支持線とし、このラインに近づくと押し目買い圧力が増し、株価の下落スピードが鈍って反発しやすくなると定義されています。
下値支持線|SMBC日興証券より一部抜粋
実際のチャート例
同じくソフトバンクグループの週足株価チャートで確認していきます。

株価4,000円に近づくと株価の下落が鈍くなるケースがあります。ここが下値支持と見ることが出来ます。
上値抵抗や下値支持は、簡単に言うと「過去、その株価周辺で何度か止まり、流れが変わった場所」です。
上値メドと下値メドをテクニカル推測する
次に、もう少しテクニカルに上値メドと下値メドを推測する方法を確認していきます。推測する方法は沢山あり、現代でも新しい考えが出てきます。
フィボナッチ比率
下記はトヨタ自動車の週足株価チャートに直近の安値から高値へフィボナッチ・リトレースメントを引いたものです。

トヨタ自動車の株価は2021年以降、これまでの上値抵抗を越えて上昇しています。
仮に下落した時、2,000円周辺、1,800円周辺が止まりやすいポイントとされています。
黄金比やフィボナッチは下記で詳しく説明しています
上昇幅から探る方法(N計算値・V計算値など)
上値抵抗を抜けて上昇した場合、例えば安値から高値までの上昇幅・差額など参考になるものはいくつかあります。
株価チャートがアルファベットのNやVのような形になる場合の「N計算値」、「V計算値」などが有名です。
最後に
テクニカル分析全般に言えることですが、あくまでも過去の動きの傾向です。
当てはまるケースもありますが、100%当てはまるものはありません。
トヨタ自動車は長い期間、上値抵抗を越えることが出来ませんでしたが、2021年はさまざまな出来事が重なり大きく上昇。2020年3月期には想定できない上昇でした。
テクニカルで当てはまらない時、どのように行動するかを事前に考えておくのも重要なポイントです。