景気の先行き不安から大手金融機関の運用悪化が懸念され、多くの銀行株が下落しています。みずほフィナンシャルグループ(8411)も例外ではなく株価が下落しています。果たして今後のみずほフィナンシャルグループの株価と配当がどうなるか。業績推移・配当推移・株価チャートを分析してみました。
- 銀行銘柄特有の割安さと配当利回りの高さ
- 配当は増配する可能性も減配する可能性も低い
- 業績の先行き不透明感はある
みずほFGの事業内容と株価指標
はじめにみずほフィナンシャルグループの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:1,414.5円
予定年間配当:75円
年間配当利回り:5.3%
予想PER:10.2倍
PBR:0.41倍
2020年11月20日終値時点のデータ
銀行銘柄特有の割安さで他の銀行銘柄と同じくらいの水準です。年間の配当利回りは高いです。 以前は株価100円台でしたが、2020年10月1日に10株を1株に株式併合しています。
みずほフィナンシャルグループ(8411)とは
みずほフィナンシャルグループとは3大メガバンクの一つ。
2007年現在、総資産・預金量・時価総額などの点で、日本第3位の金融グループであり、世界的な銀行の中では、総資産・時価総額で第10位にランクインしている。
2019年度の連結決算の際、当初計画から3割増やし約130店舗削減を行うと発表。銀行を取り巻く環境が大きく変化する中で、更に経営改善・構造改革を進めるのが狙い。
みずほフィナンシャルグループ – Wikipediaより抜粋
多くの銀行は厳しい状況が続いており、この先は主にITを利用してビジネス構造、財務構造、経営基盤の改革を進めていきます。みずほフィナンシャルグループは銀行、信託、証券、アセットマネジメント(資産運用)およびシンクタンクを擁するグローバルな金融グループです。
参考:みずほFG|みずほの概要
みずほFGの業績推移と株価チャート
次にみずほフィナンシャルグループの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と最終利益の推移

売上は順調ですが、利益は減少しています。この先はどこまで構造改革が進み利益率が上がるかが回復のポイントとなりそうです。
株価チャートの推移
下記はみずほフィナンシャルグループ5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は長期で下落推移しています。ここから更に下落する可能性もありますが、過去最大の損失額となったリーマンショック・サブプライム問題の時でも株価は100円前後(現在の株価で1,000円前後)でした。
そのため、ここから下落しても割と限定的と考えることもできます。
みずほFGの配当推移と決算内容
次にみずほフィナンシャルグループの配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記はみずほフィナンシャルグループの配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。株式統合後の株数に換算してあります。

2015年3月期:75円
2016年3月期:75円
2017年3月期:75円
2018年3月期:75円
2019年3月期:75円
2020年3月期:75円(予)
配当は年間75円で据え置きです。
みずほフィナンシャルグループの株主還元方針は「当面は現状の配当水準を維持しつつ、資本基盤の一層の強化を進め早期の株主還元拡充を目指す」としています。
現状の配当水準を維持するというのは判断が難しいところです。増配期待値は小さいですが、減配する可能性も小さいと見ることが出来ます。
決算内容を確認
2020年11月12日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終利益は2,155億円と発表、あわせて通期の同利益を3,200億円から3,500億円に上方修正しています。
みずほFGの今後について
最後にみずほフィナンシャルグループの今後について考えていきます。
今後について
現在、みずほ銀行だけでなくメガバンク全てで業務効率化・人員削減を進めています。これは日本の金融業に限らずヨーロッパでは既に行われおり、世界的に銀行業界が厳しいことを表しています。みずほフィナンシャルグループは銀行業だけではなく、信託、証券、リテール事業などさまざまな業務を行っており連携を加速化し改善を進めています。不透明感はあるものの着実に進めば業績改善する可能性は高いです。
当たり前ですが「メガバンクだから安全で、配当もなくならない」と考えるのは割と危険です。もし本当に絶対安全で配当がなくならないのなら、お金を銀行に預けるのではなく、銀行株を保有した方が明らかにお得だからです。そうではないというのは、当然それなりにリスクがあるからです。これは株式投資すべてに言えます。