三井系の総合化学メーカー三井化学(4183)。長期で株価が下落していましたが、ここにきて上昇しています。果たして今後の株価と配当がどうなるのか。業績推移と株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 業績は売上・利益ともに減少推移でやや厳しい
- 2021年3月期の配当は据え置きだが配当性向は高い水準
- 短期的な株価は強く上昇している
三井化学の事業内容と株価指標
はじめに三井化学の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
現在の株価:3,030円
予定年間配当:100円
年間配当利回り:3.3%
予想PER:18倍
PBR:1.08倍
2020年11月27日終値時点のデータ
株価指標は割安ですが化学銘柄にはありがちな水準とも言えます。年間の配当利回りは高めです。
三井化学(4183)とは
三井化学株式会社(みついかがく)は、三井グループの総合化学メーカーである。山口県和木町で工場を開業以後、事業拡大・海外展開を行い、三井東圧化学と三井石油化学工業との合併を経て、1997年10月1日に三井化学となる。
総合化学3位、石油化学の比率が高い。ペットボトルの原料であるPETペレットやポリエチレン、ポリプロピレンの触媒など日常品の様々な原材料を市場に供給している大手総合化学メーカー。
三井化学 – Wikipediaより抜粋
三井化学は創業して108年の歴史の長い会社です。自動車用製品やヘルスケア製品などの事業を展開しています。海外売上比率は約45%あります。
三井化学の業績推移と株価チャート
次に三井化学の業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高・最終利益の推移

売上・利益ともに減少しており業績は厳しい推移です。2021年3月期の最終利益は減益予想でしたが、現在はほぼ横ばい見通しに上方修正しています。
株価チャートの推移
下記は三井化学5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は2018年から長期で下落していましたが、2020年4月以降は上昇しています。業績見通し・過去の株価を考えると高めです。
三井化学の配当推移と決算内容
次に三井化学の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記は三井化学の配当金の推移です。年2回、中間配当と期末配当を実施しています。株式併合後の配当金額に換算してあります。

2016年3月期:40円
2017年3月期:70円
2018年3月期:90円
2019年3月期:100円
2020年3月期:100円
2021年3月期:100円(予)
配当は年間100円の据え置き推移です。
配当方針は「総還元性向30%以上を目指す」としています。配当性向は2019年3月期が25.9%、2020年3月期の配当性向は51.3%、2021年3月期の予想配当性向は約60%と高い水準です。
決算内容の確認
2020年11月5日に通期の連結最終利益を270億円から330億円に上方修正。1Q決算時の200億円から270億円に上方修正したのに続いて2回目の上方修正です。
また、2020年11月11日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結最終利益は96億円と発表。
三井化学の今後の株価について
最後に三井化学の株価上昇ポイントと下落ポイントを考えてみました。
今後の株価について
三井化学は事業として「モビリティ」、「ヘルスケア」、「フード&パッケージング」、「次世代事業」、「基盤素材」を展開しています。中でも売上の主力は基盤素材事業、利益はモビリティ事業です。
今後、短期的には自動車産業の減速によりモビリティ事業の悪化、基盤素材事業は価格競争の激化があります。米中貿易摩擦の激化による中国経済の悪化も業績へ悪影響します。
長期的にはモビリティ事業以外にヘルスケア事業、フード&パッケージング事業のニーズは高く、伸びしろがあります。