三井系の総合化学メーカー三井化学(4183)。今後の株価と配当がどうなるのか、業績推移と株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 割安水準で高い配当利回り
- 業績好調・成長投資へも積極的
- 株価は下落が落ち着きレンジ推移
三井化学の株価情報と業績推移
三井化学の株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:2,946円
予想PER:5.42倍
PBR:0.73倍
予想EPS:543.23円
時価総額:5,915億円
2023年1月4日終値時点のデータ。
最新の株価参考:三井化学(株)【4183】:Yahoo!ファイナンス
割安ですが化学銘柄にはありがちな水準とも言えます。
売上高と利益の推移
下記は三井化学の売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2020年3月期の業績は厳しくなりましたが、2021年3月期は減益予想から一転して増益で着地。
2022年3月期は過去最高益を更新。2023年3月期は増収・営業増益見通しとしています。
株価の推移
下記は三井化学5年分の週足株価チャートです。

株価は2018年から下落していましたが、2020年4月から上昇。
2021年6月頃に上昇が落ち着き、2021年10月以降は警戒感から下落していましたが短期ではレンジで推移しています。
三井化学の配当情報と株主優待
三井化学の配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:120円
予想年間配当利回り:4.07%
高めの配当利回りです。
配当金の推移
下記は三井化学の配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:90円
2019年3月期:100円
2020年3月期:100円
2021年3月期:100円
2022年3月期:120円
2023年3月期:120円(予)
2022年3月期の配当は3期ぶりの増配(普通配当115円、記念配当5円)、2023年3月期は据え置き予定としています。
配当性向は2022年3月期が21.2%、2023年3月期の予想が約22%です。
配当方針の確認
配当方針は「総還元性向30%以上を目指す」としています。配当方針を考えると増配、又は自己株式取得に期待が持てそうです。
株主優待について
株主優待制度は実施していないです。
三井化学の事業・決算内容と今後について
三井化学の事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
三井化学(4183)とは
三井化学株式会社(みついかがく、英: Mitsui Chemicals, Inc.)は、三井グループの総合化学メーカーである。 総合化学大手で国内3位。
ペットボトルの原料であるPETペレットやポリエチレン、ポリプロピレンの触媒など日常品の様々な原材料を市場に供給し、世界シェア1位の素材を多数有している。
三井化学 – Wikipediaより抜粋
三井系の総合化学メーカーで、自動車向けやヘルスケア向けなどの機能性材料にシフトし、海外売上比率は約48%あります。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結税引前利益は1,412億円と発表。2023年3月期の同利益は1,330億円見通し、年間配当は120円予定としています。(2022年5月13日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結税引前利益は408億円と発表、前年同期比21.3%減となりました。(2022年8月5日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結税引前利益は706億円と発表。また、通期の同利益を1,330億円予想から1,540億円予想に上方修正しています。(2022年11月8日の決算発表にて)
今後について
三井化学は事業として「モビリティ」、「ヘルスケア」、「フード&パッケージング」、「次世代事業」、「基盤素材」を展開しています。
短期的と長期的な動き
モビリティ事業の回復、ヘルスケア事業、フード&パッケージング事業のニーズ増加が考えられる反面、ナフサなどの原燃料価格の上昇リスク・原油の主な産地の中東リスクなど見えにくい部分もあります。
また、自動車産業の減速、世界経済の減速があると業績に悪影響する可能性があります。