「NEWクレラップ」などの家庭用品が有名で、合成樹脂や医薬品なども展開する中堅化学メーカーのクレハ(4023)。はたして今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標は割安、配当利回りは高い
- 利益は比較的好調だったが短期の不安材料はある
- 需要回復時期の不透明感から株価が下落
クレハの株価情報と事業内容
はじめにクレハの株価指標と事業内容を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:4,975円
予定年間配当:170円
年間配当利回り:3.42%
予想PER:8.4倍
PBR:0.57倍
2020年11月20日終値時点のデータ
化学メーカーというのもあり指標は割安です。年間配当利回りは高いです。
クレハ(4023)とは
株式会社クレハ(英: KUREHA CORPORATION)は、家庭用品、工業化学品、合成樹脂、医薬品、農薬などを中心とする中堅化学メーカー。「NEWクレラップ」などの家庭用品部門が特に有名。かつては抗がん剤「クレスチン」(第一三共との共同販売)の売上げも大きかった。
クレハ – Wikipediaより抜粋
主な事業セグメントは「機能製品」、「化学製品」、「樹脂製品」、「建設関連」です。

クレハの配当推移と業績推移
次にクレハの配当金の推移と業績推移を確認していきます。
配当金の推移
下記はクレハの配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:110円
2017年3月期:110円
2018年3月期:125円
2019年3月期:165円
2020年3月期:170円
2021年3月期:170円(予)
ここ数年の配当は増配しています。
利益配分の方針として「業績変動の影響はあるものの、安定的・継続的な配当を実施することが肝要」としています。2020年3月期の配当性向は24.5%、2021年3月期の予想配当性向は約29%です。
参考:配当情報|株式会社クレハ
売上高と経常利益の推移

売上の推移はやや不安定ですが、利益は増益推移です。2021年3月期は減収・減益見通しですが主力の機能製品事業の厳しさを考えると下落を抑えているという見方もできます。
クレハの株価チャートと決算内容
次にクレハの株価チャートと決算内容を確認していきます。
株価チャートの推移
下記はクレハ5年分の週足株価チャートの推移です。

株価は2019年から下落推移しています。
9,000円まで上昇した株価が現在は半値近くまで下落。やや上昇する気配も見せていますが、ここからの下落メドとしては3,600円、上昇メドは5,600円と見ることが出来ます。
決算内容について
2020年11月10日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は63.9億円と発表、あわせて通期の業績予想は連結経常利益が145億円見通し、年間配当は170円予定としています。
クレハの今後について
最後にクレハの今後について考えていきます。
今後の株価と配当について
機能製品事業の主力である「PGA事業」は原油生産、原油価格の下落により販売低迷。「PVDF事業」は自動車販売の減少影響で販売低迷が業績へ大きく影響しています。
以前はアナリストが目標株価を1万円近くに設定したものの、現在は目標株価や投資判断を下げています。短期的な厳しい条件は多いですが、2021年度から回復する可能性もあります。株価が下落したことで割安感が強く、配当利回りが高めになっています。