東証2部に上場している「のど飴」が主力商品のカンロ(2216)。今後の株価と配当がどうなるか、業績推移・配当推移・株価チャートを分析してみました。東証2部ということもあり、あまり注目されない銘柄で出来高も少なめですが、株主優待を実施する飴メーカーとして有名です。
- 株価はやや割安、配当・優待利回りは平均的
- 業績下方修正・連続減益とやや厳しめ
- 安定配当方針だが短期的な不透明感はある
カンロの事業内容と株価指標
はじめにカンロの事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:1,482円
予定年間配当:30円
年間配当利回り:2.02%
予想PER:17.7倍
PBR:0.94倍
2021年4月6日終値時点のデータ
PBRはやや割安です。配当利回りは平均水準です。
カンロ(2216)とは
カンロ株式会社(KANRO Co., Ltd.)は、飴を中心とした菓子を製造する日本の食品メーカーである。キャッチフレーズは「ひと粒のメッセージ」。
社名の由来は、中国の故事から、天から降る甘い露であり、不老不死の薬の意でもある「甘露」(かんろ)に因み、子供たちに親しまれるよう、カタカナ表記の「カンロ」とした。 コーポレート・スローガンは「糖から未来をつくる。」。
カンロ – Wikipediaより一部抜粋
主力商品は飴ですが、今後はグミを強化して売り上げ増を狙っています。飴市場は停滞傾向にある一方でグミは成長市場と言われています。飴にもグミにも有名な商品があります。

参考:事業内容|カンロ株式会社
カンロの業績推移と株価チャート
次にカンロの業績推移と株価チャートを確認していきます。
売上高と経常利益の推移

2019年12月期は下方修正を行い減益で着地。2020年12月期も当初は増収・増益の見通しでしたが下方修正を行い大きく減益で着地しました。2021年12月期は横ばい見通しです。
株価チャートの推移
下記はカンロ5年分の週足株価チャート推移です。

緩やかに伸びていた株価が2018年9月に急上昇しました。業績上方修正があったとはいえ、普段の出来高が少ないので起きた事と推測されます。その後は元の株価まで戻り、現在は緩やかに推移しています。
カンロの配当推移と株主優待制度
次にカンロの配当推移と株主優待を確認していきます。
配当金の推移
下記はカンロの配当推移です。年2回、中間配当(6月)と期末配当(12月)を実施しています。株式分割後の株数に換算した配当金額です。

2016年12月期:30円
2017年12月期:30円
2018年12月期:32.5円
2019年12月期:30円
2020年12月期:32円
2021年12月期:30円(予)
2021年12月期は2円の減配予定ですが、比較的安定推移です。
中期経営計画にて「1株当たり30円+α」の安定配当を目指しています。配当性向は2019年12月期が32.5%、2020年12月期が37%、2021年12月期の予想は約36%です。
株主優待制度について
カンロの株主優待は「自社商品」、12月末が権利日です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株~599株 | 1,000円相当の自社商品 |
600株~999株 | 2,000円相当の自社商品 |
1,000株~ | 3,000円相当の自社商品 |
100株保有で1,000円相当なので優待利回りは約0.7%です。
参考:株主優待|カンロ株式会社
カンロの決算内容と今後について
最後にカンロの決算内容の確認と今後について考えていきます。
決算内容を確認
2021年2月10日の決算にて2020年12月期の経常利益は8.6億円と発表。2021年12月期は横ばいの8.6億円見通し、年間配当は30円予定としています。
今後の見通しについて
2019年12月期の下方修正要因は「新グミライン稼働の遅れによる新製品の発売遅れ」、加えてグミ市場の成長足踏みです。カンロの市場シェアは飴がトップ、グミが3位とそれぞれ上位にいますが、コンビニ向けやオフィス需要が減少したことで、短期的には厳しさが出ています。
今後は新たな生活様式に対応した新商品やプロモーションを行うとしています。新商品開発やプロモーションにはさまざまな経費が掛かりますが、一部商品では巣ごもり需要で好調な商品もあるため、伸ばす可能性も秘めています。
東証2部というのもあり、出来高が少ない流動性の低い銘柄なので2018年9月のように一気に株価が上昇することもあれば、一気に下落することもあります。普段の出来高が小さい銘柄は良くも悪くも大きく株価が動く可能性があるのは注意する点です。