自分が保有している、保有しようとしている株価がどこまで上昇するか(上値メド)、どこまで下落するのか(下値メド)を予測するのは非常に難しいです。
さまざまな方法で探る方法がありますが、今回は「株価チャート」と「価格帯別の出来高」から探る方法について簡単に考えてみます。
- その価格で取引が活発だったことを表すもの
- あくまでも下値メド・上値メドの参考の一つ
- 他の指標などと組み合わせることが重要
価格帯別出来高とは
価格帯別出来高とは、名前の通り「価格帯ごとの出来高がどれだけあるか」です。
出来高が多いというのは「その価格で売買した投資家が多い」ことを表しています。
一般的には株価チャートの右横に棒グラフで表示されます。価格帯別出来高の棒グラフが高いと、過去にそこで売買をした投資家が多かったことを意味します。
つまり、将来的にも価格帯別出来高の多かったところでは売り圧力が強まったり(上昇局面の場合)、逆に買い圧力が強まったり(下落局面の場合)することが予想されます。
価格帯別出来高 – SMBC日興証券より一部抜粋
チャートに表示した期間内で、売買が成立した株数を価格帯ごとに表示しているものです。そのため、チャートの表示期間を変更して確認するのも重要です。
具体的にチャートと価格帯別出来高を確認
実際に株価チャートと価格帯別出来高を見ていきます。
上昇場面でのチャート
下記はJT(2914)の週足株価チャートと価格帯別出来高です。

横の黒い部分が出来高です。段階的に出来高の多い箇所があり、中でも特に多いのが2,400円と2,200円の少し下の位置です。
このあたりの価格で売買した株主が多い事を表しています。
メドとして
株価は出来高が多い価格帯よりも上にあります。これは、2020年6月以降(チャート表示期間)に保有した投資家の内、含み益を抱えている投資家が多いことを示しています。
そのため、保有している投資家が利益確定売りをした場合、株価が下落して出来高が多い価格帯に近づく可能性などが想定されます。
下落した場合の下値メドとして価格帯別出来高が参考になります。
下落場面でのチャート
下記は楽天グループ(4755)の週足株価チャートと価格帯別出来高です。

価格帯別出来高で多いのは600円の少し上と1,000円の少し下あたりです。
メドとして
株価が上昇した場合、出来高の多い価格帯が近くなると上値が重くなる可能性などが想定されます。
出来高の多い場所とは
価格帯別の出来高が多い場所とは、過去にその株価での売買が活発にあった場所です。その価格で揉み合ったとも言えます。
あくまでも過去のデータですが、株価は同じような位置で止まり、反転することも多いです。株価が上昇している時、下落している時に一つの目安となることもあります。
参考にならないことも
価格帯別出来高はあくまでも目安です。
大きな材料が入れば一気に突破され、新たな出来高ゾーンが形成されます。また、そもそも出来高が少ない銘柄には適用できません。
出来高の多い銘柄が、期間内ではどの株価で売買されているかを把握し、他の指標や出来事などと組み合わせて考えることが重要です。