相場下落時は高配当利回り銘柄を買う?リスクが低い銘柄とは何か

相場全体が下落した時、「株価が安いから買いたい」という気持ちが出ます。しかし、さらに下落するというリスクも当然あります。そして、そのような株価下落時に比較的リスクが低いのが高配当銘柄と紹介されることがあります。今回は「高配当銘柄への投資は本当にリスクが低いのか」を考えてみます。

高配当銘柄のPOINT
  • 高配当銘柄はあくまでも下がりにくい(下がり幅が小さい)
  • どの銘柄も下がる時は下がる
  • 一時的な相場全体の下落で高配当となった銘柄が狙い目
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高配当銘柄の株価が下がりにくい理由

高配当銘柄の株価は下がりにくい、持ち直しやすいと言われている理由を考えてみます。

長期保有の投資家が狙う

高配当銘柄は「株価が下落するほど、配当利回りが上昇します」。そのため、配当狙いの投資家に注目され、株価の下支えになるケースがあります。既に保有している銘柄をナンピンする配当狙いの投資家も多いです。

参考:下支え|大和証券

利回りの例

株価1,000円で年間配当30円の場合、利回りは3%です。株価が600円まで下落したら利回りは5%になります。1,000円(配当利回り3%)から株価が下落するのと、600円(配当利回り5%)から下落するのでは下がり圧が異なり、下落幅が限定的になるケースもあります。

参考:配当利回り|SMBC日興証券

株価が下がりにくい銘柄とは

相場全体の株価が大きく下落しているとき、高配当利回り銘柄がたくさん出ます。年間利回りで5%を超える銘柄もあります。

高配当にも様々なケースがある

高配当銘柄の全てがリスクが低いかというと、当たり前ですがそんなことはないです。

高配当銘柄の中には無理をして配当を出している銘柄もあり、業績が悪化すると配当が出せなくなり減配当または無配当となるケースがあります。

減配、無配となれば「配当狙い」で保有する理由がなくなるため、大きく株価が下落するケースもあります。

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具体的な高配当銘柄選びの基準について

次に、高配当銘柄を選ぶ基準について考えてみます。

配当金の推移

配当が減ると株価が下落するケースが多く「高配当銘柄」ほどその傾向が強いです。現状の配当利回りが高くても、減配すれば年間利回りは低くなります。そのため、直近で減配している銘柄は避けるべきです。

配当金の推移は企業の「配当に対する意識の表れ」です。業績が多少悪くても配当を維持する企業もあれば、減配する企業などさまざまです。

配当性向の推移

次に見るべき項目は配当性向の推移です。配当性向は簡単に言うと「利益をどれだけ配当に回したか」です。当然ですが、利益のほとんどを配当に回すと成長のために投資を行ったり、不測の事態に備えておけなくなります。

利益以上の配当を出しているケースも

一時的に配当性向が高いのと、配当性向が高い状況が続いているのでは減配・無配リスクが大きく異なります。

配当性向が高くても、業績が回復して配当が減らないパターンもありますが、リスクを考えた場合、高配当性向が続いている銘柄は避けるべきです。

参考:配当性向|SMBC日興証券

より銘柄を絞り込む条件とは

次に、銘柄選びの基本を考えていきます。

銘柄選びで気を付ける点

投資に100%はありません、株式投資では購入後に株価が下がることはどの銘柄でもあります。

重要なのは「購入した株式が下落した場合どうするか」を事前に考えておくことです。例えば、配当狙いの長期保有ならば、慌てて売る必要はないです。しかし、「配当が良いから」という理由だけで保有してしまうと、見えるものも見えなくなります。

投資の基本

株式投資では配当も重要ですが、一番は「その会社が何を行いどのように利益を上げているか、この先どのように利益を上げていくのか」を把握することだと考えています。

仮に配当が低くても、しっかり利益を上げることが出来る企業ならば、一時的に株価が下落してもいずれ上昇する可能性が高いです。

考えることが重要

相場全体が下落している時、その理由をしっかり把握し、どのような銘柄に影響があるのかを考えることも重要です。

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最後に

最後に、なぜ「相場下落時は高配当銘柄」と言われるのかを考えてみます。

相場下落で高配当

高配当銘柄と一言で言っても「普段から高配当」なのか、相場全体の株価が大きく下落し「一時的に高配当」なのかで大きく異なります。

相場全体が下落し悲壮感が漂っているとき、普段は高配当ではないが高配当になる銘柄が出ます。あくまでもそのような銘柄の中にチャンスがあると考えることが出来ます。

簡単に言うと、「普段では買えないような安い株価で買える」です。

下支えと株価上昇

高配当は下支えになることがありますが、普段から高配当の銘柄は私が知る限り株価が大きく上昇するケースは少ないです。なぜなら「業績好調、この先の成長が望める銘柄」が高配当利回りのまま放置されているのは、ほとんど見たことがありません。

具体的な数値目安

それらを踏まえると、「相場全体が下落した理由が、その企業の業績に大きく影響すると考えにくい」。かつ、「普段は配当利回りが3%もないが、株価が下落し3%以上の利回りに」なった。と言う感じでいくつかの角度から見るのが重要と言えそうです。

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