「株を買ってみたい」とはじめて思った時に考えることが「お金がどれだけ必要か」、「一般的にいくらから始めるのか」という疑問だと思います。
今回は「株式投資(日本株)に必要なお金」、「いくらから始めるのが良いのか」について考えていきます。
- 投資は余裕資金で行うもの。全財産や借金して行ってはいけない
- 数万円で始めることが出来るが一般的には50万円-100万円程度
- 少ない資金で始めることが出来るサービスもある
株式投資(日本株取引)について
まずは「投資の基本」を確認をしていきます。
投資は余裕資金で行う
株に限りませんが投資をする上で一番重要なのは「余裕資金(余剰資金)で行う」ことです。
全財産を使い株式を買う、借金をして買う。というのは投資ではなくギャンブルです。
余剰資金とは手持ちの資産のうち、生活費や非常時に備えて残しておくお金を差し引いた資金で、当面使う予定がないお金のことです。
または、多少減ってしまっても生活に影響を与えないお金のことを指します。
余剰資金|auのiDeCo用語集より抜粋
投資で借金はありえない
バブルの頃、株で多くの損失を出して多額の借金を背負った人は余裕資金を使って投資をするという最低限のリスク管理が出来なかった人です。
今でもそれは同じで「このお金が無くなったら困る」、「絶対に上がるから大丈夫」というのは冷静な判断ができていない状態で、投資では無くギャンブルです。
投資に絶対はない
投資は資産が増えることもあれば減ることもあります。損をしたくて株を買う人はいませんが、買った株すべてが上がる保証はありません。
投資はすべて自己責任です。銀行や大企業は資金不足で倒産しかけると政府が助けてくれることがありますが、個人は一切助けてくれません。
甘い話は無い
現代はインターネットが普及し、さまざまな情報があふれています。うそやデマもたくさんあります。
投資に限らず「確実で簡単に儲かる甘い話はない」です。まずは疑ってみるのがちょうどよいです。著名人に限らず一般人でも「投資・株で儲かってます」と言う人がいますが、私が知っている本当に儲かっている人は、そのような事はあまり言いません。
余談
ちなみに、私は10年以上株に限らず様々な投資を余裕資金で行っています。
当然、増えることもあれば減ることもあります。かなり上手くいったこともあれば、大きく損失を出したこともあります。トータル収支は10年以上やっている割には低いと思います。しかし、銀行に預けるよりははるかに良いため十分だと個人的には考えています。
投資は大きく資産を増やす方法もありますが、当然リスクが大きくなります。もちろん、リスクを出来るだけ減らしたつもりでも資産が減ることは多々あります。
株式投資に必要なお金と始める金額
次に、実際に株取引に必要なお金を考えていきます。今回は日本株の現物取引のみ考えています。
日本株を購入するのに必要なお金
個別銘柄の株を購入する場合、銘柄(会社)によって大きく金額が異なります。
2018年10月に国内取引所の株の売買単位が100株単位に統一されたため、基本的には「株価×100」+手数料が株を購入するのに最低限必要なお金です。
株価の例
2022年6月17日終値時点の株価で見ると、任天堂(7974)は5万6,360円なので購入するのに500万円以上必要です。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は731.1円なので約7万円で購入できます。
株は銘柄により数万円で買えるものから数百万円と非常に幅が広いです。なお、東京証券取引所の上場規定で望ましいとされる投資単位の水準は「5万~50万円」です。実際に多くの銘柄がこの水準です。
参考:投資単位の引き下げ/株式分割の仕組み・効果|日本取引所グループ
一般的に株取引を始める金額とは
参考までに、私は初めに50万円を運用資産として証券口座へ入金しました。50万円分株を購入したわけではなく、気になる株が希望額まで下がった時に買う用としてあらかじめ準備しておきました。
周りを見ても初めて株を購入するという人は大体50~100万円ではじめる人が多いです。もちろん、100万円入金したからといって100万円分株を買う必要はありません。ある程度は現金として証券口座に置いておくのも良いです。
余裕資金は人により異なるため、投資を始める金額も当然異なります。
投資資金が少なくても株を買う方法
「100万円も余裕資金がない」、「初めてだからもっと少ない金額で始めたい」という人には、証券会社が行っている「単元未満株」や「ミニ株」というサービスを利用するのも一つの手です。
このサービスは簡単にいうと、本来100株単位での取引しかできないものが1株、10株単位から取引できる。というものです。
内容をよく確認する必要あり
単元未満株やミニ株は最低購入価格が通常の10分の1、100分の1になるので10万円程度から株取引を始めることが出来ます。
しかし、手数料が高かったり、株主優待が受けれないなどさまざまな制約もあるので事前に調べておくことが必要です。
投資金額が少額でも証券会社のサービスを利用すれば株取引が出来ます。個人的にはあまりお勧めしませんが、「試しに株取引をしてみたい」、「株価が高い銘柄(値がさ株)を保有したい」などの時は利用するのも有りだと考えています。
最後に
株式投資は数万円あれば始めることができます。「株式投資は怖い」というイメージがある人もいますが、リスクは全て自分で管理できます。しっかり理解して、信用取引を行わなければ借金を背負うことはありません。
金額は人それぞれ
投資資金は多ければ購入できる銘柄数、株式数が増えるため選択肢は増えます。しかし少ない資金でもできることは沢山あります。
重要なのは「いくらではじめるのか」よりも「余裕資金で行う」、「すべて自己責任」という点です。
向き・不向き
世の中は投資をする流れになっていますが、当然、投資には向き・不向きがあります。
私自身、長年株式投資を行っていますが、全ての人が行うべきとは思いません。例えば、見た目のお金が減るのに耐えられない人はすべきではないと思います。