今回は「時価総額」と東証再編で注目された「流通株式時価総額」について、基本と違いから見えてくることについて考えてみます。
時価総額の基本について
まずは「時価総額の基本」を確認していきます。
時価総額とは何か
時価総額(じかそうがく、Market capitalization)、株式時価総額とは、ある上場企業の株価に発行済株式数を掛けたものであり、企業価値や規模を評価する際の指標である。
時価総額が大きいということは、業績だけではなく将来の成長に対する期待も大きいことを意味する。
時価総額は企業尺度や企業の実力の一面にしかすぎないが、市場の期待値を反映した尺度の一つであり、一般には企業の利益や資産が大きいほど時価総額も高くなる。しかし、株価は時に過大(過小)評価される場合があるため、絶対的なものではない。
時価総額 – Wikipediaより抜粋
時価総額は「株価」×「発行済み株式数」です。つまり、その企業自体の価値ではなく、「株価ベースでの企業の評価」です。
日本国内企業の時価総額ランキング
下記は2022年4月7日終値時点、日本企業の時価総額ランキングです。
銘柄名 | 時価総額 |
---|---|
トヨタ自動車 | 35兆3,790億円 |
ソニーグループ | 15兆1,897億円 |
キーエンス | 13兆8,920億円 |
NTT | 13兆900億円 |
三菱UFJ | 9兆8,566億円 |
ソフトバンクグループ | 9兆7,416億円 |
KDDI | 9兆3,803億円 |
リクルートホールディングス | 9兆1,972億円 |
東京エレクトロン | 8兆6,765億円 |
任天堂 | 8兆2,051億円 |
当然ですが、有名企業が並んでいます。中でもトヨタ自動車の時価総額は飛びぬけています。
流通株式時価総額について
次に東証再編で注目された「流通株式時価総額」について確認していきます。
流通株式時価総額とは何か
流通株式時価総額は「株価」×「流通株式数」です。時価総額は「株価」×「発行済み株式数」なので、違いは「流通株式数」の部分です。
流通株式とは何か
流通株式とは、「流通可能性が認められない株式を除いた有価証券」です。
具体的に流通可能性が認められない株式とは「役員が保有する株式」、「自己株式」などです。
時価総額から見えてくること
次に時価総額から見えてくることを考えていきます。
時価総額で見える事、見えない事
連続赤字で配当無配、業績好調で配当をしっかり出している。しかし、時価総額はかなり近いという企業は多くあります。これは時価総額が「株価ベース」なので起きていることです。
株価というのは、基本的に「先の期待値の価格」です。今の業績や企業規模ではないです。
時価総額でわかる事とは
時価総額でわかるのは、どれだけ期待値が高いか、または低いかです。過去の株価推移やPER、PBRなどからも現在の株価が高いのか低いのかの目安となりますが、時価総額も同業他社と比較し、どれだけ期待値が高いかが分かります。
時価総額は「株価ベース」なので、業績が悪くても期待値の高い企業は高くなる傾向があります。
流通株式時価総額から今後の動きについて考察
次に「流通株式時価総額」について考えてみます。
流通株式の意識変化
流通株式はこれまで意識されることがほとんどありませんでした、しかし、東証再編により「流通株式が重要視」されたことで注目されています。
なぜなら現状、プライム市場に上場している多くの企業が「プライム市場」基準を満たしておらず、経過措置で特例として上場しているからです。
企業の対応はどうなるのか
基準ライン上にいる企業は知恵を絞っています。例えば、自社株を消却、大株主の持ち株比率を下げるなどで「株主構成を見直す」企業もあります。
株主優待・配当へ影響?
今後は、良くも悪くも株主優待・配当が変わる企業も出てくる可能性も考えられます。