伊藤忠グループで食品卸大手の伊藤忠食品(2692)。株主優待では人気のカタログギフトを実施しています。今回は伊藤忠食品の株価が今後どうなるのか。業績推移や株価チャートの分析。配当・優待の利回りを確認していきます。
- 株価指標は割安だが、配当・優待の合計利回りはやや低め
- 久しぶりの増配で配当性向も問題なし
- 連続増益見通しで利益推移は好調、株価も上昇中
伊藤忠食品の事業内容と株価指標
はじめに伊藤忠食品の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:5,470円
予想年間配当:80円
年間配当利回り:1.46%
予想PER:17.3倍
PBR:0.77倍
2020年11月20日終値時点のデータ
株価指標は割安ですが、年間の配当利回りは平気より低めです。
伊藤忠食品(2692)とは
伊藤忠食品株式会社(いとうちゅうしょくひん、英: ITOCHU-SHOKUHIN Co.,Ltd.)は、酒類・食品の卸売を主要事業とする商社である。伊藤忠商事の子会社である。酒類・食品卸の企業としては、全国5位の売上高を誇る。
セブンイレブンは立ち上げの際から取引を行っている大口の得意先である。他にもイトーヨーカドーやイオングループ、ライフコーポレーションなどの大手スーパーにも強い。
伊藤忠食品 – Wikipediaより抜粋
主にスーパー、コンビニに商品を卸しています。代表商品はビール・飲料ですが、冷凍・チルド製品・缶詰が伸びています。
伊藤忠食品の株主優待と配当推移
次に伊藤忠食品の株主優待制度と配当金の推移を確認していきます。
株主優待制度について
伊藤忠食品の株主優待は「ちょいすdeチョイス」というカタログギフトです。
権利日は3月末で100株以上保有している人が対象です。3,000円相当の商品から選ぶことができます。カタログギフトはさまざまな商品から選ぶことが出来るため人気優待の一つですが、利回りに換算すると約0.5%なのでお得感は小さめです。
配当金の推移
下記は伊藤忠食品の配当金の推移です。年2回、中間配当(9月末)と期末配当(3月末)を実施しています。

2016年3月期:75円
2017年3月期:75円
2018年3月期:75円
2019年3月期:75円
2020年3月期:75円
2021年3月期:80円(予)
配当は年間75円でしばらく推移していましたが2021年3月期は増配予定です。
2020年3月期の配当性向は23.9%、2021年3月期の予想配当性向は約25%です。適正水準の配当性向のため、減配する可能性は低いです。
伊藤忠食品の業績推移と株価チャート
次に伊藤忠食品の業績推移と株価チャートの推移を確認していきます。
売上高と経常利益の推移
下記は伊藤忠食品の売上高と経常利益の推移です。

売上・利益ともやや停滞していましたが、2020年3月期に大きく増益、2021年3月期も増益見通しと利益は好調な見通しです。
株価チャートの推移
下記は伊藤忠食品5年分の株価チャートの推移です。

株価は大きく上昇した後にじわじわと下落推移。
2020年に大きく下落した後、急速に戻しており、現在は一旦の上値メドを抜けています。過去の株価と業績予想を考えるとまだ伸びしろがあるように見えますが、以前の株価が一時的に上昇しすぎていたとも取れます。
伊藤忠食品の決算内容と今後について
最後に伊藤忠食品の決算内容の確認と今後について考えていきます
決算内容の確認
2020年10月30日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は25.1億円と発表、前年同期比30.9%増、通期計画の60億円に対する進捗率は42.0%となりました。
今後について
中期の経営計画では2021年3月期に売上高1兆円を目標としていましたが、中期計画達成はほぼ不可能な状況です。連続増益見通しですが、売上はやや停滞しています。
株価指標に割安感があり、酒・飲料以外の商品には拡大余地がありそうです。しかし、国内の人口減少や物流費・人件費の増加は業績に悪影響です。スーパー・コンビニが主な取引先であることを考えると短期的にはプラスポイントですが、長期的な不透明感はあります。