今後の株価を分析する方法は人それぞれで、多くの方法があります。例えば、株価チャートなどの株価の動き・指標を中心としたテクニカル分析、企業の財務状況や市場・需要などを中心としたファンダメンタル分析などなど。
今回はテクニカル分析の基本中の基本である「移動平均線」について基本と活用法について考えてみました。
移動平均線の基本
まずは移動平均線について基本的な事を確認していきます。
移動平均線とは
移動平均線(いどうへいきんせん、英: Moving average line)は、株価や外国為替のテクニカル分析において使用される指標。
5日移動平均線であれば、過去5日間の終値の平均値となる。テクニカル分析の指標として最も基本的なものであり、多くの投資家によって用いられている。
移動平均線 – Wikipediaより抜粋
一般的に、株価チャートに移動平均線を用いる場合は長期と短期の移動平均線を引き、その位置関係を見ます。
ゴールデンクロスとデッドクロス
もっとも有名と言って過言ではない移動平均線を用いたテクニカルがゴールデンクロスとデッドクロスです。
ゴールデンクロスは「短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜ける」ことで、買いの目安とされています。下記の図のような形です。

デッドクロスは逆に「短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜ける」ことで、売りの目安とされています。

移動平均線のパターンとサイクルについて
次に移動平均線のパターンとサイクルを確認していきます。
移動平均線4つのパターン
短期と長期の移動平均線だけを見たとき、4つのパターンに分かれます。
短期 | 長期 | トレンド |
---|---|---|
上昇 | 上昇 | ①短期上昇、長期上昇 |
下落 | 上昇 | ②短期下落、長期上昇 |
下落 | 下落 | ③短期下落、長期下落 |
上昇 | 下落 | ④短期上昇、長期下落 |
具体的に確認していきます。下記は日経平均株価の週足株価チャートの推移です。緑が13週短期移動平均線、赤が26週長期移動平均線です。

⑤の場所ではデッドクロスが発生していますが株価は上昇。⑦でも同じくデッドクロスが発生し、その後の株価は大きく下落しています。⑥の場所ではゴールデンクロス発生も株価上昇するまでに時間がかかっています。
大まかな流れ(移動平均のサイクル)について
必ず当てはまるというわけではないですが、基本的な流れとしては株価の上昇が続くと①が発生、その後、株価の下落が始まると短期移動平均が下落して②となり、次に長期も下落し③となります。
その後、株価が上昇してくると④になり、①に戻ります。これが一連の流れですが、ここ数年は株価が大きく動くことも多く、途中の番号が飛ぶことも多いです。
狙い目となる移動平均の動き
次にねらい目となる移動平均の動き、銘柄分析への活用法を考えていきます。
底打ちと天井の目安
短期移動平均を見ると下落トレンドから上昇トレンドに変わったポイントが底値、上昇トレンドから下落トレンドに変わったポイントが天井となるケースが多いです。
もちろん、これはその時には判別が難しく後の分析でわかることです。
銘柄への活用法
下落している株価はいつか上昇します。もちろん、中には上昇しない銘柄もありますが。同じく、上昇している銘柄もいつかは下落します。その銘柄が今どのポジションにいるのかを確認するのは重要です。
例えば、①のように、短期でも長期でも上昇している場合はそのまま静観し、短期の移動平均の動きをみて下落したときに早めの手じまいするのも一つの手です。逆に、既に①の状態にある銘柄は新たに購入するのは避けるべきとも言えます。
狙うべき銘柄は移動平均が下落している銘柄ですが、買うタイミングとしては早めに行くなら短期の移動平均が上昇をはじめた時です、確実にいくなら長期の移動平均も上昇した時です。
最後に
当たり前ですが、移動平均線だけを見て確実に利益が出る方法はないです。
もし、確実に利益が出る方法があれば全ての人がその手法を用います。昔も現在も多くの手法・考え方があるというのは確実に利益が出る方法が無いからとも言えます。
しかし、多くの考え方を知ることで確実に利益につながります。