日立グループの総合建機で日本2位の日立建機(6305)。一時的に株価が上昇する場面もありますが、厳しい業績が続き長期の株価は下落しています。はたして、今後の株価と配当はどうなるのか。業績推移・株価チャート・配当金の推移を分析してみました。
- 株価指標に目立った割安感はない
- 配当性向30%メドなので業績次第で配当が大きく変わる可能性
- 株価は上昇する場面もあるが長期で下落推移
日立建機の事業内容と株価指標
はじめに日立建機の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,857円
予定年間配当:未定
配当利回り:—
予想PER:30.4倍
PBR:1.27倍
2020年12月25日終値時点のデータ
PERは割高、PBRは割安です。年間配当は未定としています。
日立建機(6305)とは
日立建機株式会社(ひたちけんき、英: Hitachi Construction Machinery Co., Ltd.)は、日本の建設機械メーカー。日立グループに属する。1970年10月1日設立。
日立製作所が手掛けていた建設機械の製造部門が1969年11月に日立建設機械製造として分社化、それ以前に設立されていた建設機械の販売やサービス会社と1970年10月に合併し、(現)日立建機が発足した。建設機械業界では日本でコマツに次ぐ2位。1990年代後半から欧米、アジア、オセアニアに事業を拡大している。
日立建機 – Wikipediaより抜粋
油圧ショベルやダンプトラックなど「建設機械」を世界中で生産・供給しています。海外の売上比率は約8割です。
日立建機の配当推移と業績推移
次に日立建機の配当金の推移と業績推移について確認していきます。
配当金の推移
下記は日立建機の配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:40円
2017年3月期:12円
2018年3月期:85円
2019年3月期:100円
2020年3月期:60円
2021年3月期:未定
配当にはばらつきがあります。
配当方針として「連結配当性向30%程度、もしくはそれ以上を目指す」としています。配当性向は2019年3月期が31%、2020年3月期も31%と方針に近い水準です。
2021年3月期は中間配当を減配していること、予想利益・予想配当性向を考えると年間配当は30円程度まで減配する可能性が高いと考えられます。
参考:配当金情報|日立建機
なお、日立建機は株主優待制度を実施していません。
売上高・経常利益の推移

売上・利益ともに減少しています。2018年3月期は上方修正を何度も行い業績が大きく回復しましたが、2020年3月期は減収・減益、2021年3月期も連続減益見通しです。
日立建機の株価チャートと決算内容
次に日立建機の株価チャートと決算内容を確認していきます。
株価チャートの推移
下記は日立建機5年分の週足株価チャートの推移です。

しばらく低迷していた株価ですが、2017年は業績復活の兆しから大きく株価が上昇しました。2018年以降は下落、一時的に上昇する場面もありますが、長期的な流れは厳しめです。
決算内容の確認
2020年10月27日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は47.7億円と発表、前年同期比88.4%減、通期計画の340億円に対する進捗率は14.1%となりました。
日立建機の決算と今後
最後に日立建機の今後について考えていきます。
今後について
日本や北米では比較的堅調ですが、他国では前年を下回って推移しています。海外売上比率が約80%と海外依存度が高いため、世界規模での景気減速による需要減少、ドル・ユーロなどに対して円高が進行した場合は業績に大きな影響を与えます。
2021年3月期の業績見通しも厳しく、配当がさらに減る可能性もあります。決算でも前年同期比で減収・減益が続き厳しく株価には以前ほどの割安感もないです。