個人的に個別株を買う時に注意する点は「どの銘柄」を「いつ買うのか」の2点だと考えています。
伸びしろが小さい銘柄よりも、伸びしろが大きい銘柄の方が良いのは当たり前ですが、さらに「買い時が遅くないのか」というのも重要だと考えています。
そんな今回は「個人投資家が避けるべき株式銘柄」について考えてみました。
- 注目銘柄への投資判断は難しい
- 専門家やプロの情報に従えば勝てるほど簡単ではない
- 注目されてから購入するのは遅いケースがほとんど
成長分野銘柄への投資について
いつの時代も「成長分野」の銘柄があります。近年だとAI、ロボット、5G関連、医療銘柄などが「期待値が高い」と紹介されることが多いです。
そして、業績成長の期待値が高い銘柄に投資することを「グロース投資」と言います。
グロース投資は、企業の成長性や将来性に着目し、業績の伸びが期待できる銘柄に投資する手法。
「成長株投資」「グロース株投資」ともいいます。
グロース株投資|大和証券より抜粋
株価上昇前に購入できると一気に爆発する可能性があります。しかし、すでに多くの人に買われている場合、株価が急落することもあります。
ベンチャー医療の例
医療関連の銘柄は新薬などの開発状況により、株価が大きく反応します。
サイバイオ(4592)の株価暴落について
下記はサンバイオの週足株価チャートです。

2018年11月頃に新薬の「脳梗塞向け再生細胞医薬がすごい」というニュースで「買い」が殺到。4,000円ほどの株価が一気に3倍近くの約12,000円まで跳ね上がりました。
しかし、2019年1月29日に「臨床結果が不調」となると一転。新薬に対する期待が薄れて一気に「売り」が殺到、3日連続ストップ安となりその後の株価も下落。
株価上昇前の1,000円台となりました。
アンジェス(4563)の株価推移について
下記はアンジェスの週足株価チャートです。

株価は非常に不安定な動きをしています。大きく出来高が膨らみ急上昇する場面もありますが、その後は下落という動きを繰り返しています。
どこかのタイミングで急上昇する可能性もありますが、まだまだ下落する可能性もあります。
グロース銘柄は、指標の割高さは株価に影響がなく、ニュース一つで大きく動くことが多いです。出来高が上昇した時は買い時を逃している可能性が高いです。
投資のタイミングについて
株価は上昇し始めると、どこまで上昇するのか、どこで止まるのか見極めるのが難しいです。
上昇しているときに購入すると手遅れで、買った後に下落ケースもあります。
ITバブルの崩壊
1999年2月から2000年11月頃にITバブル(インターネット・バブル)と呼ばれるインターネット関連ベンチャー企業の株価が異常に上昇した時期がありました。
しかし、その後多くの銘柄の株価が暴落。100分の1まで株価が下落した銘柄もありました。
アメリカでも時期を同じくしてgoogleやamazonなど一部の企業だけが生き残り、多くのITベンチャー企業が倒産しました。
株価下落の要因とは
株価は現在ではなく将来の期待値を表していると言われています。
売上や利益が好調でも「株価が上がりすぎている」場合、期待以上の結果が出ないと「売りが売りを呼び大きく下落する」こともあります。
反対に、現時点の業績が悪くても、期待値から大きく株価が上がる事があります。
成長分野、注目銘柄への投資は難しい
注目を浴びる銘柄の宿命として、一つのニュースで大きく株価が上昇・下落します。
また、投資のプロや専門家の評価が高ければ、つい信じてしまいます。
「ピーター・リンチ」の教訓
個人投資家としての強みは、ウォール街の専門家から手に入れる者ではなく、自分がすでに持っているものの中にある。すでに理解している企業や業界に投資することによってその強みを生かせば、プロをしのぐ運用成績があげることも可能だ。
自分はどんな株を持っているのか、なぜそれを持っているのか。この二点をちゃんと把握しておくこと。「こいつは間違いなく値上がりするぜ!」という話はあてにならない。
企業を研究することなく株に投資すれば、手札を見ずにポーカーをするときと同程度の成功しか得られない。
ピーター・リンチの株の法則より一部抜粋
グロース株への投資
グロース株は株価上昇前に購入できれば、大きな利益を手にできる可能性がありますが、いつ上昇するのかは分かりません。上昇せずに衰退する企業もあります。
また、株価上昇後はリスクを考えると避けた方が安全とも言えます。
個別銘柄の魅力
個別株の醍醐味は個人投資家でもプロ以上の成績を残せる可能性があることだと個人的に考えています。例えば、スポーツ分野では多少上手いくらいの人はプロに絶対勝てないですし、将棋などの世界でもそうです。
しかし、投資の世界ではプロ以上に成果を上げている人は沢山います。
プロが既に注目している銘柄は、彼ら以上の成果を狙うという点では避ける銘柄なのかもしれません。