北米やヨーロッパでブランド力が強い電機メーカーのブラザー工業(6448)。複合機やプリンターを主な事業として展開しています。果たして今後の株価と配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。
- 株価指標はやや割安、配当利回りは高めの水準
- 利益は減益、長期で下落の株価も短期ではやや上昇
- 海外依存の売上が今後どうなるのか不透明感はある
ブラザー工業の事業内容と株価指標
はじめにブラザー工業の事業内容と株価指標を確認していきます。
株価指標と配当利回り
株価:2,058円
予想年間配当:54円
年間配当利回り:2.62%
予想PER:13.4倍
PBR:1.18倍
2020年12月11日終値時点のデータ
株価指標はやや割安です。配当は大幅減配予定でしたが微減に上方修正、やや高めの利回りです。
ブラザー工業(6448)とは
ブラザー工業株式会社(ブラザーこうぎょう、英: Brother Industries, Ltd.)は電機メーカー。主にプリンター(複合機)、ファクシミリ、ミシンなどを製造している。売上の90%近く(連結では75%)が日本国外であり、日本国内よりも北米やヨーロッパでブランド力が高い。特にSOHO向けの複合機、ファックスにおいては北米でトップシェアを占める。
ブラザー工業 – Wikipediaより抜粋
売上・利益の柱は複合機、プリンターなどのプリンティング&ソリューションズ事業(P&S事業)です。売上高の約60%を占めます。
参考:事業紹介|ブラザー
ブラザー工業の業績推移と株価チャート
次にブラザー工業の業績推移と株価チャートを確認していきます。
ブラザー工業の売上高と経常利益の推移

利益は右肩上がりで推移していましたが、2020年3月期は減益となりました。2021年3月期も減益見通しですが、当初の予定よりは悪化しない見通しです。
株価チャートの推移
下記はブラザー工業5年分の週足株価チャートの推移です。

2016年8月から上昇していた株価ですが、2018年1月をピークに下落。現在は底値から抜け出し上昇しています。下落メドは1,500円周辺、上昇メドは2,300円周辺と見ることが出来ます。
ブラザー工業の配当推移と決算内容
次にブラザー工業の配当推移と決算内容を確認していきます。
配当金の推移
下記はブラザー工業の配当金の推移です。年2回、中間配当(9月)と期末配当(3月)を実施しています。

2016年3月期:36円
2017年3月期:42円
2018年3月期:54円
2019年3月期:60円
2020年3月期:60円
2021年3月期:54円(予)
2021年3月期の配当は減配予定です。
配当方針として「連結配当性向35%を目標、著しい業績低迷時を除き、1株当たり年間60円を配当の下限水準」としています。2021年3月期は著しい業績低迷と判断し年間配当34円予定でしたが、想定より悪化しない見通しとなり増額修正を行っています。
参考:配当金について|ブラザー
決算内容について
2020年11月9日の決算にて2021年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は326億円と発表、あわせて通期の同利益を310億円から530億円に上方修正し、年間配当を34円予定から54円予定に変更しています。
ブラザー工業の今後の株価について
最後にブラザー工業の今後について考えてみます。
今後について
主に中国や東南アジアなどで製造し北米やヨーロッパで販売を行っています。そのため、各国の景気状況や為替レート・米中貿易問題などさまざまなことが業績に影響を与えます。また、製造拠点での人件費や原材料価格などのコストが上昇する可能性もあります。
日本国内では他社メーカーの複合機やプリンターのシェアが大きいですが、北米・ヨーロッパでは大きなシェアを持っています。短期的な業績は厳しくなるのが想定されますが、M&Aを含めて将来への成長投資はしっかりと行っています。