高利回り外債投資に潜む2つの落とし穴

証券会社のサイトでよく紹介されている「外国債券」。償還まで5年ものとなると外貨預金に比べ利回りが高いものが多く、米ドル建てで約2%、新興国通貨建てだと5%を超える商品があります。

日本の個人向け国債が利回り0.05%(税引き前)であることを考えると、外国債券はとてもよく見えます。しかし、外国債券には「為替リスク」と「為替スプレッド」という2つの気を付ける点があります。




「円貨決済型」外債の為替リスク

現在HSBCバンクが発行している「ブラジルレアル建て債券(円貨決済型)」は税引き後、年5.235%の利子を受け取ることができる、とても高金利な商品です。

この商品は円貨決済型なので、「日本円でブラジルレアルを購入し、利子を日本円で受け取ります」。また、最終的に償還を迎えて戻ってくる元本も、ブラジルレアルから日本円に戻して受け取ります。そのため、購入時と売却時のブラジルレアル/円の為替レートにより元本が大きく左右されます。

私が保有している2021年に償還を迎えるブラジルレアル建て債券ですが、購入時より年6%を超える利子を受け取っています。

購入時のレートは1レアル37円。1万レアル購入(37万円)で年間2万円以上の利子を受け取っていましたが、現在は1レアル約27円のため、年間で受け取る利子は1万6千円に減りました。また、現在のレートと仮定した場合、償還時に27万円で戻ってきます。

5年間保有して受け取れる利子は10万円未満のため、5年預けた結果まったく増えない計算になります。(あくまでも為替レートは現状の想定で、さらに円高が進めばマイナスが膨らみます)

高い為替スプレッド

SBI証券のFXではブラジルレアル円を売買する際、0.2~0.5円のスプレッド(購入時と売却時の差額)ですが、この債券では3倍の1.5円が為替スプレットとしてかかってきます。

つまり、27万円で1万ブラジルレアルを購入した場合、その時点で1万5千円のマイナスになります。為替レートの変動がなくても1年間の利子が為替スプレッド分になります。

最後に

外債に限らず、国債は基本的に償還まで保有することが前提のため高金利です。中途解約もできますが、その際には多額の為替コストや手数料がかかるケースがあり、「中途解約=損」が前提の商品です。

外債を購入するときは「年利」のメリットと「為替リスク」+「為替スプレッド」のデメリットを天秤にかけ、長期保有するのが妥当かどうか考える必要があります。

また、今回は流動性の低い「ブラジルレアル建て債券」を例にしましたがブラジルレアルのような新興国通貨ではなく、メジャー通貨である「米ドル建て債券」であれば、継続的に購入すれば新興国通貨に比べて「為替リスク」は減らすことができるのに加え、「為替スプレッド」も低いことが多いです。

もちろん、 米ドル建債券の場合、年利は低くなります(それでも2%近くありますが)。

裏を返すと年利5%以上の高金利とはそれだけリスクがあるということですね。

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