紳士服専門大手でネットカフェ・カラオケ・結婚式場など多角経営を行うAOKIホールディングス(8214)。今後の株価・配当はどうなるのか、業績推移・株価チャート・配当推移を分析してみました。また、株主優待制度も確認していきます。
- PBRは割安、業績回復推移
- 株価が安値圏でレンジ推移もやや上昇
- 警戒感・不透明感はまだ強め
AOKIの株価情報と業績推移
AOKIホールディングスの株価情報と業績推移を見ていきます。
株価指標
株価:846円
予想PER:17.52倍
PBR:0.56倍
予想EPS:48.29円
時価総額:742億円
2023年3月3日終値時点のデータ。
最新の株価参考:(株)AOKIホールディングス【8214】:Yahoo!ファイナンス
PBRは割安感が強いです。
業績の推移
下記はAOKIホールディングスの売上高・営業利益・経常利益・最終利益の推移です。

2021年3月期は経常損益が66億円の赤字、最終損益は119億円の赤字となりました。2022年3月期は回復、2023年3月期は更に回復を見込んでいます。
株価の推移
下記はAOKI5年分週足株価チャートです。

株価は業績が不安定なこともあり2018年から大きく下落、2021年から底値を抜けていますが安値圏でレンジ推移。2023年以降で見るとやや上昇しています。
AOKIの配当情報と株主優待
AOKIホールディングスの配当情報と株主優待制度を見ていきます。
配当情報
2023年3月期の予定年間配当:17円
予想年間配当利回り:2.01%
配当金の推移
下記はAOKIホールディングスの配当金推移です。配当権利日は、9月(中間配当)と3月(期末配当)です。

2018年3月期:44円
2019年3月期:60円
2020年3月期:46円
2021年3月期:10円
2022年3月期:10円
2023年3月期:17円(予)
配当金は2020年3月期、2021年3月期と大きく連続減配。2023年3月期は増配予定としています。
配当性向は2022年3月期は33.1%、2023年3月期の予想が約35%です。
配当方針の確認
配当方針は「前年実績以上を維持しつつ配当性向30%以上を基本」としています。
株主優待について
AOKIの株主優待制度は「株主優待券(割引券)」、優待権利月は、3月と9月です。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 1,000株未満 | 買物20%割引券 5枚 施設20%割引券 10枚 婚礼10万円割引券 1枚 |
1,000株以上 | 買物20%割引券 10枚 施設20%割引券 30枚 婚礼10万円割引券 1枚 |
AOKIやインターネットカフェ(漫画喫茶)の「快活CLUB」で使える20%割引券は使いやすい優待ですが、あくまでも「割引券」です。
AOKIの事業・決算内容と今後について
AOKIホールディングスの事業・決算内容の確認と今後について考えてみます。
AOKIホールディングス(8214)とは
株式会社AOKIホールディングス(アオキホールディングス、英:AOKI Holdings Inc.)は、メンズ・レディスの衣料品及び服飾品の企画販売を主軸事業とする持株会社である。
主力は紳士服業界第2位の紳士服量販店「AOKI」。子会社には、カラオケルーム「コート・ダジュール」、複合カフェ「快活CLUB」などを運営する「株式会社快活フロンティア」、結婚式場などを運営する「アニヴェルセル株式会社」。
AOKIホールディングス – Wikipediaより抜粋
主力は紳士服「AOKI」のファッション事業ですが、売上・利益が伸びているのは複合カフェなどの「エンターテイメント事業」です。
決算内容を時系列に確認
2022年3月期の連結経常利益は43.6億円と発表。2023年3月期の同利益は70億円見通、年間配当は15円予定としています。(2022年5月12日の決算発表にて)
2023年3月期1Q決算
2023年3月期1Q(4-6月)の連結経常利益は13.9億円と発表、前年同期は15.8億円の赤字のため黒字回復しています。(2022年8月5日の決算発表にて)
2023年3月期2Q決算
2023年3月期2Q累計(4-9月)の連結経常利益は16.7億円と発表。また、通期の同利益を70億円予想から81.5億円予想に上方修正、年間配当を15円予定から17円予定に増額修正しています。(2022年11月10日の決算発表にて)
2023年3月期3Q決算
2023年3月期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は38.5億円と発表、前年同期は25.1億円の赤字のため黒字回復しています。(2023年2月9日の決算発表にて)
今後について
ファッション事業の紳士服は需要減少、低価格の競合出現により今後も苦戦が想定されますが、「複合カフェ」、「24時間フィットネスジム」は新規出店を予定し、需要回復・利益上昇を見込んでいます。
警戒点・不透明材料
柱の事業であるファッション事業はカジュアル商品などに力を入れて拡充するとしていますが、不透明感はあります。
また、東京オリンピックの公式スポンサーにおける疑惑で東京地検から家宅捜索を受けるなど、どこまで影響があるのか見えにくい部分もあります。
回復期待・リスク
フィットネスジムやカフェなどのエンターテインメント事業がどこまで伸びるかにもよりますが、大きく回復する可能性も秘めています。
家宅捜索を受けましたが、株価は大きく影響していないです。やや上昇している株価ですが、以前と比べるとまだまだ安値付近で推移しているのはそれなりの警戒感があるという見方も出来ます。